【読書キロク】

『こんこん』 水沢なお著
「中原中也賞」を受賞した30歳の詩人の、第2小説集。表題作が中編、他に短編と詩を1編ずつ入っています。
こんこんは、主人公(20代会社員女性)が愛してやまない、あるテーマパークのキツネのマスコットキャラクター。
彼女は週末の夜、仕事が終わるとそのまま車で高速道路を2時間走り、テーマパークのゲートが開くのを夜明けから待つ。目的はこんこんとのグリーティング、こんこんが参加する昼と夕方のパレード、パークのこんこんの家のそばに陣取ること。こんこんの着ぐるみの中の人は数人いるけれど、こんなに愛している私には分かる、と彼女は確信しているのだ。
こんこんを愛する余り、パークの5~6km圏内に住む、小柄な男性(こんこんが小柄だから)という条件でマッチングアプリを登録。するとその条件に合った男性が現れ、デートを重ねるが、果たして彼はこんこんの中の人なのか、それとも…。
詩人の方の文章だからなのか、句読点や改行はあるものの、詩と詩がどんどん繋がって文章の形になっているような印象を受けました。
そして、文章の中にずっと水の流れや水滴、雨などを感じていました。表現力が豊かで、何となく数年後に芥川賞を獲るかもしれない人。あくまで私個人の勘ですが(^_^;)