気がつけば今年も残すところ2週間を切りました！
そして本日は年内最後のワークショップです。
…相変わらず出席して来ない緊張感のない方がいらっしゃいますが。
本来の発表会の練習以外でも今年は「声づくり講座」は継続しています。
このワークショップに来られる方がよく言われる事。
何で歌のレッスンなのに筋トレをするんですか？
こんな柔軟なんか歌に必要なんですか？
声を出すのにこんなに力が必要なんですか？
そう言われる方が多くてあぁ・・・と毎回思います。
最近ボイストレーナーの方の呟きで
「声帯は筋肉ではないので鍛える事はできない」と言うのを見かけたのですが
いえいえ、表層は粘膜ですのでそこに力を入れる事はしないのですが
粘膜の下に靭帯や筋肉が少なくとも5層はあるはずです。
輪状甲状筋だけではなく声帯筋や甲状披裂筋など様々な筋肉があって
それらを支える中心に腹筋や背筋、臀筋、内転筋などが存在します。
腹筋といっても様々で所謂パンツの線な腹斜筋だけでなく
腹直筋や腹横筋など用途に応じて使い分けますし
身体の中で音というエネルギーを生み出すために様々な筋肉が連携しています。
この道筋がスッキリとしないとクリーンな音が生まれないのです。
その道筋の整備、拡張工事と言うのが筋トレになるわけです。
もちろんボディービルダーのような筋肉の作り方をするわけではありませんが
しなやかで真っ直ぐな背中は息の通り道をスムーズに
声帯への振動を均等にして行くための力があります。
真っ直ぐ立てるだけで合格！と言うのはあながち間違いではないのです。
その背中を見るだけでこの人はどの程度歌えるのか判断できます。
歌うための筋肉を持っているのですから
ですので徹底的に真っすぐ立てる事、歩ける事は本当に重要です。
そしてそれをコントロールできる方法を自分の中に系統立てて記憶する事。
その記憶領域を拡張して整理する事が必要です。
筋肉は年齢と共に衰えて行くものですが、本当の問題は筋肉量ではなく
それを動かすための神経が十分に働かなくなる事です。
神経は年齢を重ねても鍛えれば今よりもっと働く事ができるというのが
わかっているからです。
ですので年齢を重ねてもここを抑えておけば歌える身体でいられるわけです。
考える力もとても大切です。
脱力と言う言葉から全身をダラリと抜くイメージの方
必要な場所に必要なエネルギーを集めて
それ以外の場所を抜く事なんですよ。
人間の力のトータル100は変わらないのですから
使う場所にエネルギーが集中すれば、そこ以外は目減りします。
それを脱力と考えて欲しいのです。
脱力をするにはどこに力が必要なのか、と考えます。
全てに骨格とそれを支える筋肉群が必要で考えていなければいけません。
そう、「考える」ことを放棄しないで欲しいのです。
楽譜に求められている力を使えるか、何が必要なのか？
そう言った思考回路は普段から考えていないとできません。
ですから「本を読む」と言う習慣が必要です。
最近、レッスンで歌詞を読んで貰っても読めていない人が多すぎます。
「読む」という習慣がないからです。
読むための筋肉を身体の中に蓄えて来なかったからです。
それにリズムを感じて表現するための筋肉も必要です。
日本人のリズムと欧米人の感じているリズムは別物ですから。
カウントで動けない、歌えないから立体的な音楽になりません。
リズムを感じ動くためにも筋肉も必要です。
全て西洋人の芸術を東洋人のアジアの島国の日本人が行うためには
西洋人がフルマラソンを走ろうとスタート地点にいるのに
日本人は遥か彼方後ろでスタート地点すら見えていないのです。
身体的、文化の問題もあって仕方ない事なのですが
これに気づかずに日本人のお得意な日本的アレンジをして
西洋芸術であると思っている、そして指導している方が多い事に気づきました。
だから「声帯は筋肉ではないので鍛える事はできない」となったのでしょうが…
せめてスタート地点が視野に入るように何とかしたいと思います。
そう言った筋肉も全てワークショップの中では作って行きます。
「No Muscle, No Music」なのです。
何とか今感じている様々な問題点を少しでもクリアにできれば
きっと今感じている、見えている世界とは別の世界が広がるはずです。
…と思ってるんだけれど、どうやったら伝わるんだろうか？
きっとこれが私のここ数年に渡る悩みです。
ニホンゴムズカシイネー！です。
世代間ギャップ？
とりあえず、今年最後のワークショップ。
本日からピアニストの先生も入っての練習です。
頼むから、みんな気合入れてな。
春にみんなの笑顔を見たいだけだから。
最後までお読み下さいましてありがとうございました。
明日からもがんばってブログを更新するモチベーションが上がりました。
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