トランスジェンダー ROSE

 

 

 

 

     もう一つ妻のエピソードがあります。

 

 

 

  

 

 

妻の実家には、古い柱時計 別名 ボンボン時計がありました。

 

いくらねじを巻いても、振り子が動かない壊れた状態でした。

 

妻は、修理をするために、その時計を柱から外して、風呂敷に包み知りあいの時計屋さんまで持って行く途中に悲劇が起きました。

 

 

妻は、風呂敷に包んだ時計を抱きかかえて、市営バスに乗りました。

 

車内は、満員状態でしたが、最後部の中央の席が空いていたのを見つけた妻は、椅子取りゲームの要領で、席を確保したそうです。

 

暫くは、何もなかったのですが、バスが揺れた瞬間に....!!

 

 

風呂敷に包んでいた例の壊れたボンボン時計が大きな音をたてて

 

「ボーン ボーン と鳴り出しました

 

突然のことに妻は慌てて、風呂敷を開き、時計の音を止めようとしましたが止まる気配はありません。

 

本当に驚いたのは、乗客とバスの運転手!!

 

最後部から、バスの車内ではありえない「ボンボン時計の音」が....

 

不思議に、誰も笑う人はいなかったそうです。

 

その静けさが、更に、ボンボン時計の音を響かせたようです。

 

 

     結局 時計は........

 

 

   12回の時を刻み 時計はまた


 静かな眠りにつき

 ました。

 

 

 

                                        つづく

 

 

         作詞・作曲 ROSE