波瑠さん主演の刑事ドラマの第2回。
今回も波瑠さん演じる氷月のカッコよさが光る。クールで感情を極力抑えた、静かなお芝居なんだけど、内面に秘めた強さと、反面の脆さ、危うさがしっかりと伝わってくる。じっと何かに耐えているような、見方によっては、一種の苦行僧や修道士のような、静謐なストイックさ。
氷月の心の中にあるのは何なのだろう。
辛い過去の記憶から逃れられないまま、それでも刑事になったのは何故?
事件解決に立ち向かわせているものは何?
いわゆる「考察」は本意じゃないのだけど、波瑠さんのお芝居を観ていると、どうしても、そのキャラクター表現のコアにあるものに強く惹きつけられる。
氷月が警察官として、事件捜査を続けているのは、何か特別な秘めた動機に突き動かされているのじゃないか。
氷月のトラウマとなっている過去と警察が氷月をマークしている理由とはどんな関係にあるのか。
このドラマの展開は、これから氷月と警察組織の対立構図に重点が移っていくのではないか。
そんなことをあれこれ考えさせられる。
他方で、今回も事件解決エピソードは、それほど凝った内容ではない。犯人の目星は最初からついているし、解決方法にも意外性は少ない。
そもそもこのドラマ、「瞬間記憶捜査」というタイトルだけど、主人公の特殊能力にフォーカスしたドラマの作りにはなっていないように思う。
もし、そうだとしたら、特殊能力を持つ主人公はそれと似合わない意外な個性の持ち主で、周囲から最初は侮られ、なめられているのが、偶然をきっかけにした能力発揮で次第に認められていく、という展開をとるのが王道。
キャラクターも、主人公とバディ以外は、ユニークな個性はあっても、特別な背景はないフラットなサブキャラ陣で固め、エピソードは、主人公とバディを中心とした描写となるはず。
そういう意味で、このドラマでは、各回の個別事件そのものよりも、氷月を取り巻く警察組織内部のキャラクター相関にウェイトがある印象。
まだ、ドラマがはじまったばかりで何とも言えないけど、今後の展開が非常に興味深い。氷月の心情の変化を丁寧にきちんと描いてもらえたら、もちろん、波瑠さんのお芝居には心酔しているけど、台本や演出や共演者の方でもしっかりとドラマを構築していってもらえたら、この上ないと思ってる。