うーむ、なんとも書きようがないなあ(笑)。

波瑠さん出演の連ドラ、サバイバル医療ミステリーって、確かにサバイバルなんだけど、何故サバイバル?どーしてそーなるの??の連続、毎回何か悪だくみがあって、誰もかれも味方になったかと思うと敵になり、騙しあい、裏切りあい、で、落ちに誰かが殺される。

最初は呆れて苦笑しながら見ていたのが、そのうち慣れっこになって、波瑠さん出演シーン以外はぼーっとながら見、ふーん、へー、はいはい、って特に驚きもない感じ(笑)、波瑠さんが出ていなければ、とっくにリタイアしていたけど、頑張って完走しましたよ、TVerでだけど(笑)。

 

まー、いちおう感想は書いておくけど、ストーリーにもプロットにもリアリティーがまるでないのは、謎解き、犯人あての考察に主眼を置いたドラマだから、割り切ってよしとするとして、テレビドラマの命であるキャラクターにリアリティーが欠如しているのはかなり問題。

主人公・藤巻(反町隆史)をはじめとして、敵役の白鳥(佐々木蔵之介)、その腹心の郡司(津田健次郎)、小狡い日和見の事務長・本坊(筒井道隆)、刑事の神林(尾上松也)、怪しげなクラブママの杏梨(倉科カナ)、みなとてもフラットで単純なパーソナリティー、奥行きのある複雑な人格としては描かれない。だけじゃなく、ストーリーが展開するにしたがって、行動も動機も意味不明、豹変というより、キャラクターが次第に崩壊、破綻して、ドラマ全体を通して、一種のパズルか暗号の中の記号のような存在になっていく。

 

で、ここからは、完全に贔屓目の感想なんだけど(笑)、さすがは、波瑠さん、こんなドラマの中でも、一人だけ、きちんとキャラクターのリアリティーを保持して、言動すべてに説得力がある。久留米穂希という、感情をほとんど表に出さない、合理性の塊のような変人キャラなんだけど、どこかに本当にいそうな、存在感たっぷりのキャラクター表現は、とても魅力的。だから、一人で特効薬を開発してしまう、って、普通あり得ない、ドラマの解決のカギとなる、トリックスター的な役どころも、違和感なく、いや、彼女なら出来そう、って感情移入たっぷりに、視聴者にそう納得させる。藤巻が穂希の身代わりにギフトを打たれたときの、必死の心臓マッサージのシーン、いつも無表情の穂希が熱く、藤巻に呼びかける、その思いに心を打たれる。

で、これは言い過ぎかもしれないけど、おかげで久留米穂希との絡みが多い、主人公・藤巻だけは、二人のコンビのシーンになると、すごく人間味のある、面白いキャラに見えてくる。

これまで波瑠さんが演じた役で言うと、「BORDER」の比嘉ミカが、キャラクター設定としても、男だらけの格闘ドラマのヒロイン的ポジションという意味でも、近いかな、とは思う。でも、今回の役の方が、ずっとキャラクターに重みがあるし、お芝居に見応えもあるのは、波瑠さんの役者としての成長の証じゃないだろうか。

で、付け足しのようで申し訳ないけれど、久留米穂希のワンレンっぽいショートボブのビジュアルがこの上なくクールで素敵、毎回ドラマのストーリーそっちのけで、出演シーンになると画面にうっとり釘付けだったのは、言うまでもない(笑)。ドレスアップしてアルカナムへ乗り込むシーンの神がかりの美貌たるや、もう卒倒しそう。

 

何だか、ここのところ、この手の感想が多くて恐縮(笑)。

いや、波瑠さんが選んで出演するドラマに文句をつける気はないのだけど、でも、波瑠さんの魅力はこんなものじゃない、作品さえ良ければ、もっともっと素晴らしいお芝居が見られるはず。

「ガラスの城」はよかったから、やはり、そろそろ主演の連続ドラマが見たい。映画でもよいけど、邦画にはあまり期待できないので、日本でならドラマの方が映画より上だし、特にNHKのドラマなら言うことなしだし、なんなら配信ドラマの方がずっと期待大。