うーん、いいんだけど。

波瑠さん演じる穂香のお芝居とビジュアルはもう最高、言うことなし!

だけど、何だかなー、んー(苦笑)。

 

今回、ストーリーとしては、いじけて家出(?)した山本(高杉真宙)が、あれこれ一進一退、紆余曲折を経て、穂香の元へ戻る、という、まあ、あまり中身のない展開(笑)。

で、エピソードの中心になっているのは、揺れ動く穂香の心情。

そこは、まさに波瑠さんのお芝居の見どころで、家具売り場で山本と赤嶺(仁村紗和)に出くわして、二人の同居に動揺し、君子(ヒコロヒー)に山本への気持ちを聞かれて思い悩み、仕事に集中しようとしてもイベント交渉が思うようにいかず、古賀(中村蒼)のいろいろ気遣いにもうまく応えられず…。

隠そうとしても抑えられない思い、自分に自信が持てず、落ち着かない心、やり切れない気持ち、そんな錯綜する感情表現が見事だと思う。

 

また、ビジュアルでも、残業のオフィスで古賀との会話シーンとか、9年前の入社2年目で福岡出張シーンとか、クライマックスでの山本への告白(?)シーンとか、とびきりの美しさ、可憐さ、麗しさ。

特に、回想で新人時代のポニーテールには、あまりの愛らしさに目が釘付け。緊張して瞬きとか、小さくため息とか、初々しくて、わー、もう、恋愛エピソードなんかなくても、これだけで胸キュン(笑)。

やっぱり、波瑠さんは、ショートとか、髪を上げるとか、顔の輪郭や頬から首のラインと目鼻立ちとのバランスが抜群に美しいので、突出した輝きを放ってる。

って、なんか、ビジュアルの感想ばかりになってきそう(笑)。

 

ストーリーは、ねえ。

山本の家出と家電店の店長夫婦のエピソードを重ねるとか、まあ、ご都合主義的なあるある展開だし。

んー、それと、これ、波瑠さんのお芝居が丁寧で繊細なだけ、相手役の高杉真宙の演技がどうも単調に見えてきてしまう。穂香と山本の対面シーンは、まだよいのだけど、でも、これも、例えば、自分のことをどう思ってるのか、問い詰めるってのは、普通は女性から男性へってのがお決まりパターンで、そこが男女逆転はこのドラマのお約束ではあるんだけど、山本から穂香への詰問は、若干威圧的な感じ、てか、下手するとモラハラになりそうな、あやういバランス。ま、ここが原作だと、かなりモラハラ寄りなので、確かにそれよりはましなんだけど。

潜在的に、女らしさとか男らしさって価値観を温存したまま、形だけ男女逆転してるから、どうもそこに違和感が出てきてしまう。

ま、問題は演技でも、演出でも、脚本でもなく、原作なんだよな(笑)。

 

でも、他方で穂香と赤嶺の関係は、なかなか楽しい。

今回も赤嶺の回想シーン、会社説明会での穂香への憧れが芽生えるエピソードは、本筋のストーリーよりも、ずっと感動的だったり(笑)。

も、自分的には、演者の芝居としても、いっそのこと、穂香と赤嶺の二人がメインのドラマでもいいんだけどなー(笑)。

ってわけにはいかないよね、さすがに。