んー、2話目も相変わらず、非現実的なストーリー展開、まるで漫画のよう、って、いやもともと漫画だし(笑)。

でも、ドラマを観ている間は、そんなことはほとんど感じない。

若い一人暮らしの独身女性の家に、家事のみの担当とはいえ、男性が同居するなんて、ふつー、相当抵抗があって、トイレだって、風呂だって、着替えだって、洗濯だって、ところが、主人公を演じるのが波瑠さんだと、そんな不自然さ、違和感が何故かどこかへ消えてしまう。

まさに波瑠さんのお芝居のマジック!

なんだろ、このキャラクターの実在感は。

おせち料理みたいな豪華弁当(笑)とか、山本の至れり尽くせりのサービスが穂香にはだんだん重く感じられてくる、という展開や、どうしてこんなに尽くしてくれるのだろう、私は山本君に何もしてあげられないのに、という無意識、天然の鈍感ツンデレ、という波瑠さんのお芝居がもう素晴らしいことこの上なく。

山本を演じる高杉真宙の若さを前面に出した芝居を、貫禄たっぷりに受け止めて、リズムとハーモニーを作り出す、いや、見事としかいいようがない。特に、残業を見舞いに来た山本が失意で去るのを追って、自分の思いを伝えようとするシーンでは、山本の健気さ、切なさが強調され、波瑠さんのビジュアルの美しさとあいまって、とても印象的な芝居になっている。

これ、この空気のよめない鈍感さ、波瑠さんが演じるとすごい説得力で、「セカムズ」の柴山美咲を彷彿とさせ、何だかすごく懐かしい。

他方で、思い直して、山本をお嫁くんとして迎え入れるシーン、「山本君がいいの」の台詞の絶妙なくすぐったさとか、年上の優しいお姉さん感が画面いっぱいに溢れて、これはとても新鮮。風に吹かれて、おでこが見える、その美しさもまた雰囲気とマッチして。

引っ越してすぐに部屋がぐちゃぐちゃになってる(笑)おとぼけ感も可愛いったら。

波瑠さんのこういうキャラクター表現はこれまであまり見たことがなくて、心地よさにぞくぞくする。

このドラマの制作プロセスでも、波瑠さんの主役・座長としてのポジションは、ストーリーやキャラクターをすべて受け止める包容力がカギになっているように思う。

 

で、そもそもストーリーやキャラクターは原作ではどうなっていたんだっけ?

念のため、読み返してみようか、とも思ったけど、何だかもう原作はどうでもよくなってきた。比較しても意味はなさそうだし。

確かに、このドラマ、テーマも内容はそんなに深くないし、気楽に見られる作品だけど、ファンタジーをリアリティーに転換する波瑠さんのお芝居自体は見応え十分。

もう原作のことは頭から追い出して、純粋にこのドラマを楽しみたい。