はー、波瑠さん主演の新ドラマ、とりあえず初回、始まるまでは不安先行だったけど、予想外にふつーに見られるドラマになっていて(笑)、ほっと一安心。

軽薄でリアリティーの欠片もない原作のしょーもなさを、確かに現実離れの、他方で、既視感たっぷりのあるある設定でありながら、ドラマでは何とかそれなりに説得力のある内容にはなってる。

例えば、穂香(波瑠さん)の汚部屋を山本(高杉真宙)が夜通し掃除するのも、穂香の両親(宇梶剛士・富田靖子)が娘の生活を心配して唐突に部屋を見に来るという流れからの無理の少ない展開。

また、原作では穂香と山本の二人の関係描写ばかりが前面に出て、仕事や職場、あるいは、生活や家事の具体的描写が希薄なんだけど、そこもある程度はそれなりにきちんと描けてる。

 

でも、何と言っても原作コミックとこのドラマの最大の違いは、速水穂香(原作主人公)と速見穂香(ドラマ主人公)のキャラクターの魅力の違い。原作の穂香は、前回ブログにも書いたように、ふわふわして何を考えてるのかよく分からない、軽くて薄ーいキャラなんだけど、このドラマの波瑠さんのお芝居は、ちゃんと心理の背景や状況が表現されていて、キャラに立体感がある。

波瑠さん演じる穂香は、仕事で成果を出そうと気遣いや心配りで懸命に頑張ってる姿が、周囲の人間からは、理想の嫁、というステレオタイプな価値観からの人物評価を押し付けられてしまってる。営業先で評価されたのは、仕事の中身ではなく、花嫁候補としての期待感であったり、内心悔しい思いをため込んでいたりする。

周囲からの結婚への期待に戸惑い、知らずしらずのうちにプレッシャーに苛まれて、一人沈み込む穂香の姿がすごく切ない。

で、人には見せることのできなかっただらしない私生活や心の中のもやもやを山本には知られてしまうのだけど、山本のキャラが穂香のひたむきな姿に憧れ、優しく、ケアの気持ちにあふれた年下男子(あり得ない非現実的なキャラではあるけど(笑))という設定がここで生きてきて、理想の嫁ハラスメントに悩む穂香が山本の前では素直に心を開いて、こらえきれずに静かに涙を流す、その波瑠さんのお芝居が胸にぐっとくることになる。

やっぱりさすがは波瑠さん、あのしょーもない原作(笑)が見違えるように感動的になってる。

 

ま、それでも、全体的に見れば、あり得ない無理なストーリーがほとんどで、ドラマのテンポもいまひとつ、というか、テンポよりも、どちらかというと、ゆるふわのムード重視の展開。そこは、あまりテンポを重視すると、リアリティーが失われ、それこそ軽くて薄いポップな深夜ドラマ風になってしまうので、むしろ、これはこれでいいような気も。

それと、こういうドラマだからこそ、ドラマの内容にとらわれず(?笑)、波瑠さんのビジュアルの美しさ、可愛らしさを満喫できる、とも言える。初回では、部屋でふろ上がりのタオルを頭に巻いて両親とスマホで会話するシーン、プレゼン後に呼び出されたディナーのシーン、山本の回想の髪をしばったシックなスーツのシーンが特に素敵。波瑠さんのビジュアルは年々輝きを増していってるみたいで、ストーリーそっちのけで(笑)、うっとりとスクリーンに釘付け。

 

ドラマはゆるっと気楽に見られる内容なので、感想書くのも、あまり深く考えず、こちらもゆるっと気ままに書いていけそうなのはGOOD(笑)。

何より、季節も心地よい春だし、波瑠さんのドラマが毎週見られるって、やっぱり最高だね。