いいねー、回を重ねるたびに、どんどん面白く、楽しく、そして、エモくなってくる。

今回は、特に、お仕事ドラマの面目躍如、これまでで一番、依頼者がマドリスト(?)だけあって、設計から予算まで、具体的にがっつりとリノベ案件への取り組みが描かれ、しかもそれが梅玄コンビの成長、関係の深化や依頼者側のドラマとしっかりシンクロして見応え十分、大満足。TVerでの視聴リピートも止まらない(笑)。

 

今回のエピソードは、原作でもかなり内容の濃いエピソードになってて、ドラマの方の展開もキャラクターの台詞ややり取りもほぼ忠実に原作通り。

特に、玄之介(間宮祥太朗)と寅之介(落合モトキ)の絡みは、両者の営業に対する姿勢の違いが印象的なコントラストになっていて、リアリティーと迫真性がある。不動産営業として、手付金を急がせたり、ローンの増額を提案したり、リノベ不要の高額物件を勧めたり、寅之介の仕事のスタイルは、ビジネスの現実のシビアさや競争原理のいやらしさを象徴しているのに対し、顧客の人生を変えてしまうかもしれない責任の重さから逃げずに、顧客の気持ちと正面から向き合う玄之介、そしてそれを力強く支える小梅の仕事のスタイルとが鋭くぶつかり合う。

そして、その結果、顧客の心をつかんだ小梅と玄之介の「魔法」がスカッと心地よい感動を呼ぶ物語の流れとなっている。

原作通りの展開がドラマに力強いドライブ感を出しているんだけど、でも、キャラクターの描写と言う点では、あえて原作通りではない演出が実に効果的。

例えば、原作の寅之介は、ビジュアルもクールだし、合理的でたんたんと正論で攻めてくる、「強か」という感じだけど、ドラマの寅之介は、飄々とした雰囲気で、小憎らしく嫌なところを突いてくる、「えげつない」というイメージの芝居になっていて、玄之介の誠実さとの対比はより強烈。

さらに、最後のリノベ提案シーンでも、原作では小梅たちからの提案の前に、寅之介からは既に依頼者・飯星(真飛聖)の憧れだった物件が提示されていて、まるふくの提案を見て飯星が確信を得て決断するって流れだけど、ドラマでは、まるふくからの提案の直後に寅之介がサプライズで横やりを入れるという展開で、これはその後の飯星の即決の清々しさを強く印象付ける。

そして、この演出は、もう後悔しない、自分は先に進んでいる、という飯星の言葉と玄之介の同じ心境とがぴたりシンクロすることでキャラクター描写の説得性を増す効果につながる。

で、仕事の決着後の玄之介と寅之介のやり取りだけど、ここは原作と違う、というか、こんな風に仕事ができたらいいな、という原作の台詞、これはこの流れでは使わないだろうと思ったのが、・・・なんて絶対思わない、ってそう来たか(笑)。許してくれなんて、そんなに厚かましくないから、って原作では殊勝で寅之介のちょっと感動的な台詞、これもドラマでは使いづらいだろうと思ったら、流れ気にせず同じセリフを平然と言ってのける寅之介と、え??、厚かましいよ~、お前!と呆れて返す玄之介のやり取りが絶妙にはまっていてナイス(笑)。

 

それと、今回のエピソードは、飯星を演じた真飛聖が出色の芝居。これも原作と変えて、一人称を「飯星」(&「飯星的」(笑))にしたのには唸らされた。これで、自分の世界を大事に抱えて一人で地道に生きてきたこのキャラクターの健気さが最大限にじみ出て、思わず感情移入し、応援したくなる気分にさせる。いやあ、神回と言える今回のエピソードの立役者の一人は、確実にこの魅力あるキャラクターだと思う。

余談だけど、波瑠さん主演の「未解決の女」の最高のエピソードは、真飛聖がゲストだったシーズン1の第4話だと思ってるので、ほんと波瑠さんと真飛聖の芝居の相性はばっちり。今後もぜひ共演を期待したい。

 

当然、今回の波瑠さんのお芝居も最高。小梅が寝袋で玄之介の家で夜を明かし、翌朝の朝食の支度を見てどぎまぎし、そそくさと逃げるように、おにぎり一つだけ持って帰ってしまう、逆ごんぎつね(笑)のシーンとか、玄之介との仕事での見事なコンビネーションだけでなく、相手のことが気になって、でも、おじけてしまい、近づきたくても近づけない、そのエモいシチュエーションがたまらない。

でも一番感動したのは、寅之介と口論している玄之介の電話を無理矢理さっと切って、仕事をしましょう!、私たちの仕事をしましょう、と力強く言い切るシーン。これも原作通りなんだけど、こうして波瑠さんのお芝居で見せられると、ほんとじーんと心が揺さぶられる。

あと、細かいシーンでは、宣伝用看板の画像を越後(本田力)の顔に勝手に差し替えて、知ーらないとふーふー口笛吹けない(笑)のにとぼけるシーン、山友・ミコト(SUMIRE)との打ち合わせで玄之介に執心するミコトにやきもち、山へ帰れ!(笑)って切れるシーン、打ち上げのおでん屋でのむくれて一人ハイタッチ(笑)のシーンとか、もう可愛さ爆発シーンの連続。

 

ただ、この先はいろいろと気になる展開もあって、若干気がそぞろになり気味。

原作にはない、グローバルの有川(原田泰造)率いる円卓の部下団が企んでいるプロジェクトとは一体何か、それが梅玄コンビやまるふく工務店とどう絡んでくるのか、恋愛相関図の書き換え(?)を図る竜之介(吉野北人)や玄之介に接近するミコトはどんなかく乱要因(魔物?)になるのか、原作通りに、次回は小梅の実家のリノベ(建替え)案件だけど、これが今後の展開にどう影響してくるのか。

予告を見た限りだと、小梅が実家に帰ってしまって、玄之介が早く帰ってきてほしい、小梅がいないと自分はダメだとこぼすシーンがあったけど、これ、原作だとまったく逆で、小梅には実家でゆっくりしてもらって、小梅に負担をかけずに自分一人でもちゃんと仕事ができるようになりたい、って台詞になっていて、梅玄コンビの今後の展開を占う上で、次回はかなり重要なエピソードになりそう。

予告を見ていると、気分がそわそわして落ち着かないので、とにかく早く月曜日になってほしい。これ、もう切実な希望(笑)。