感想縛り(謎)のおかげでじっくりマイペース視聴も、もう前半最後のエピソード。

スタンダールのコーチングで聡子の変身と結晶作用はほぼ完成し、いよいよマリウス(涼介)へのアプローチが本格化する、というわくわくの展開。

シンデレラで言うなら、さあ、これからお城での舞踏会へ乗り込む、ってところなんだけど。

 

ハッピーな聡子の生き生きとした姿を笑みをたたえつつ見守る、って安直な流れに簡単に乗っていく感じにはならない。

前回のエピソードでも予感があったとおり、どうやら、涼介が聡子に惹かれているのには、単純な恋心というよりも、もっと複雑な事情がある模様。

スタンダールが気に入らないという(自分も気に入らない(笑))、女性編集者・井川瑞希とのバーでの何だか異様にまったりしたいやらしい会話を聞く限り、どうやら涼介の新作の主人公モデルは聡子なんじゃないか、作品執筆に利用しようとして聡子に近づいてるんじゃないか、と釈然としない気持ちになる。

それじゃあ、聡子があまりに可哀そう。

せっかくの聡子の成長への努力が裏切られるんじゃないか、とやきもき、気が気じゃない。

 

それに加えて、周囲のキャラクターたちの聡子への悪意や敵意。

恋敵のエリナはともかくとして、おひとりさま仲間だった悦子の僻みからの陰険な企みにもかなり気が滅入りそう。

やっぱり、シンデレラ・ストーリーだけあって、意地悪な継母や義姉たちってキャラクターは必要になってくるんだろうな。

その点、これまでの波瑠さん主演のラブコメは、サバ婚にせよ、G線にせよ、リモラブにせよ、また、ヒロインだったセカムズにせよ、恋敵はいても、悪人はいなかったので、ほのぼの気分で視聴できたけど、このドラマは結構きついプロットを押し込んでくる。

いや、もちろん、それはそれでドラマとして見応えはあるし、主人公である聡子の成長のためには不可欠の試練なのかもしれない、とは思う。

でも、この先の展開は、きっと観ていて切なく、心が締め付けられるような思いもすることになるんだろうな。波瑠さんの泣きのお芝居にまた泣かされることになりそう。

ただ、聡子の成長というのは、涼介との恋愛だけじゃなく、エリナや悦子や村石たちとの人間関係の前向きな展開ということもあるはず。そうであれば、きっとドラマの行きつく先は、単なるラブコメとしてのハッピーエンドを超えた、人間ドラマとしての感動的なエンディングになるのだろうし、当然、それを期待してる。

ま、このドラマについては、聡子には何よりスタンダールが味方についてるんだし、若干心もとない気もするけど(笑)、そこは大いに頼りにしてます。

 

ということで、今回はストーリーのこの先の流れが気になって、あまり個別のシーンの感想はまとまらなかったんだけど、それでもものすごく強い印象に残ったのは、最後のシーン。

缶蹴り(?笑)の途中で、涼介から小説の感想を聞かせてほしいとUSBメモリを渡され、美しい花を摘みたければ、断崖絶壁に血がづくのを恐れてはだめ、というスタンダールの忠告に意を決した聡子が何を思ったのかまったく意表をつき、何と涼介の背後から唐突の膝カックン(笑)。これ、涼介だけじゃなく、観ている自分もびっくり。

そこからの、涼介の言葉、ここにまた来ませんか、今度は二人で、という「告白」(?)を聞いて、透き通った真っすぐな眼差しのまま一瞬静止した聡子の表情。木漏れ日に輝くこの波瑠さんのビジュアルは、波瑠さんのドラマ史上一二を争う美しさに、気が遠くなりそうなほど陶然。

やがて静かに、はい、と小さく微笑みながら、屈託なく爽やかに答える聡子は、こんな素敵な人、この世にいる?この人がこの後、思いがけない辛い目に合うかもしれない、なんて観てて耐えれられない、って切なさがこみ上げてくる。

 

最後に少しだけ流れた次回の断片的予告にもショッキングなシーンが。

サブタイトルも「誰からも愛されない」って、ちょっと辛すぎ。

ああ、聡子を支えてあげてください、どうか、スタンダールさん(笑)。