今回は望緒(波瑠さん)が終始ストーリーの中心で、感情の起伏や表情の変化など、波瑠さんのお芝居の見どころがたくさん。ショッキングな展開は、それはそれとして(笑)、ずっと画面に釘付けだった。

 

雨宮(林遣都)が野瀬正(徳重聡)に刺されて入院し、駆けつけた望緒は心配と不安で居ても立ってもいられない。亡き優美(黒川智花)の不倫相手は雨宮だったのでは、と疑う玲子(本仮屋ユイカ)に対して、強く異を唱える望緒。病室のベッドに横たわる雨宮に寄り添い、雨宮君を信じたい、と切ない心情を吐露する。手を握り合う二人の間には、お互いへの健気な気持ちが溢れて。

雨宮への愛を心に決めた望緒は、真剣に稜(溝端淳平)にプロポーズへの断りを告げ、雨宮の無実を証明し、疑惑を晴らそうと、優美の不倫相手を確かめようと思い切った行動に出る。優美と謎の男との密会の事実を知り、その相手がかつての同級生・中野幸ではないか、と転向後の中野の足取りを探るため、中学の担任だった恩師・田村を訪ねる。さらに、中野が引き取られた親戚の家へも向かい、ミリタリーコートの男とも遭遇する。

玲子が夏祭りの夜の出来事の責任に向き合うため、密かに慕っていた田村へ罪の告白をした後の望緒との二人のやり取りは、目まぐるしい衝撃的なドラマの流れの中で束の間のやすらぎ。

この間、退院した雨宮と望緒は、雨宮の家で二人の夜を過ごすなど、急速に距離が縮まり、愛情の絆が深まっていく。そして、望緒が雨宮のマンションを訪れた夜、同じ時間に侵入してきた野瀬正が雨宮を襲い、必死に雨宮を助けようと正に立ち向かう望緒の姿が涙ぐましい。正が去って、窮地を脱した後、お互いを思いやる気持ちが感極まって、強く抱き合う望緒と雨宮。望緒から唇を寄せていくシーンの、相手に身も心もすべてを預けていく潤んだ瞳のいじらしさは、波瑠さんのお芝居の美のまさに真骨頂。何て可憐な、何としても守ってあげたい、見ているこちらまで心の底からそう思ってしまう。

でも、その後の展開は、そういう感情移入を拒むような、朝のベッドの中で望緒が抱いた雨宮への謎の違和感や玲子が探り当てた過去の傷害による雨宮の逮捕歴、そして、極めつけは、逃げなさい、あなたも殺される、という養護施設での雨宮の母の言葉。

 

いやあ、波瑠さんと林遣都の芝居の醍醐味に浸っていたいのに、ストーリーの方がそれを許さない(笑)って、非常にジレンマ。

せっかく盛り上がった感動的なラブロマンスが悲劇に終わりそうな予感がするのは、ちょっと耐え難いなあ。

って、再三書いてるように、このブログでは「考察」はしない方針なんだけど、ドラマのプロットとしては、こうあってほしいという希望はある。

まあ、こういうあからさまに主人公の恋人が疑惑だらけでミステリアス、正体は悪人、というフラグが立ちまくりだから、そのままの結末にはならないだろうとは思うけど。そういう意味では、単純にエンタテインメントとしても、どんでん返しに大いに期待。

でも、それ以上に、このドラマの主人公はじめメイン・キャラクターの心情、動機の切実さやリアクションのリアリティー、そういう人間関係・因果関係という意味でのプロットが、安直で薄っぺらく、チープなものでないことを強く願ってる。

真相がすべて明らかになったとき、えー、そんな動機でそんなことする?ふつー?ありえないでしょ、ってことにならないように(笑)。

波瑠さんと林遣都の芝居は当然として、その他キャストや演出、ここまでの物語の流れにも満足してるのだけど、ドラマのストーリーがあまりに予測不能なので、ここから先のクライマックスが若干不安(笑)。

とりあえず、次回もいろいろな意味で(笑)手に汗握って、展開を見守りたい。

 

 

ところで、このドラマとは関係ないのだけど、早くも波瑠さんの次回出演作品が発表された。

3月からアマゾン・プライムで配信予定の「恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~」(全10話)に波瑠さんが主演、自分に自信が持てず、30歳で恋愛経験ゼロの図書館員である主人公・聡子を演じるとのこと。共演は、瀬戸康史と小日向文世。

いや、波瑠さん主演ドラマだし、共演者もよいから、当然楽しみなんだけど、ドラマのあらすじ読む限りでは、理想の男性への片思いの主人公に恋愛ノウハウを指導するメンター(このドラマでは、フランスの文豪・スタンダール!?)っていう構図。以前波瑠さんが主演した「サバイバル・ウェディング」とまったく同じプロットじゃない?

それと、まともに作品読んだことはないんだけど、このドラマの原作者(水野敬也)の志向・センスが自分の好みや価値観とは合わなさそうなのがちょっと心配。

まあ、波瑠さんのことだから、そんな心配はすべて吹っ飛ばして、魅力的な主人公を演じてくれるだろう、という全幅の信頼はあるんだけど。

とりあえず、原作はともかく、スタンダールの「恋愛論」ぐらいは読んでみようかな(笑)。

あ、あと、このドラマ、どうやら撮影は既に終わってる感じなので、昨秋に高田馬場や上野でロケの目撃情報があったのはこれかな?バイオグラフィーにも追記しておこうかと思う。