波瑠さん主演の金曜ナイトドラマ「愛しい嘘~優しい闇~」がいよいよスタートした。

なかなか面白そうじゃないか。

キャラクター表現や人間関係の演出は、狙った感強めで結構あざとい感じもあるけど(笑)、それもこの深夜枠ドラマならではの定番手法なので、B級グルメとかエスニック料理のようなインパクトのあるフレーバーとして悪くない。

波瑠さんが深夜枠ドラマの主演って初めてだけど、いい感じの出だしになってる。

波瑠さん演じる今井望緒は、NHKのドラマ10「お母さん、娘をやめていいですか?」の主人公・美月と似た感じの、誰にも優しく、人の気持ちに気遣ってばかりで、一見主体性や意志が弱いような大人しいキャラクター。

サバサバ&ぶっちゃけキャラを演じることが多い波瑠さんにしては、久しぶりのモジモジ&おっとりキャラ。人の好さ、気の弱さにつけこまれ、性善説で生きてる「甘さ」への妬みからか、職場の後輩や元同級生から一話の中で三度も謝れって強要されてしまう。

でも、最初は相手の剣幕に気圧されてしぶしぶ謝ってしまったけど、二度目は理不尽な要求に困惑しつつも我慢して抵抗、そして、三度目は自分のファンへの侮蔑には黙っていられず、平手打ちで抗議。特に、奈々江(新川優愛)に必死で言い返すシーンは、他の作品での強気キャラとはまた違う、勇気を振り絞った健気な眼差し、波瑠さんのお芝居の見事な流れに思わずぞくぞくした。

それにしても、さえないアラサーの漫画家アシスタントという役だけど、波瑠さんの美しさはやはり絶品。深夜枠ドラマとは思えない、かなり豪華なキャスティングの中にあっても、その存在感やオーラがひときわ輝いてる。

キャスティングに力を入れいてるだけあって、望緒を取り巻くキャラクターは皆嘘つきの曲者ばかりで、今後も怪演の連続になりそう(笑)。そういうシチュエーションでも、ドラマがリアリティーを失わないでいられるとしたら、それはやはり波瑠さん演じる主人公が芝居の中心にいて、確かな心情表現でしっかりすべてを受け止めているからだと思う。だから、突拍子もない非現実的な展開でも、決しておちゃらけた荒唐無稽の物語にはならない。

この深夜枠ドラマのラブサスペンスで波瑠さんをあえて主演に据えた理由がそこにあるのだと思う。

まさに、ドラマの「アンカー」としてすごく重要な役割になるだろう。

期待していた林遣都との共演も、言葉少なな芝居の中でお互いへの気持ちを水面下でやり取りしつつ、ミステリアスなプロットとエモーショナルな雰囲気を両立させていて、すごく良い滑り出し。やっぱりこの二人は相性抜群だな。

 

このドラマ、プロデューサーは「ドクターX」、脚本家は「下町ロケット」や「半沢直樹」、演出は「奪い愛、冬」と、明らかに目指すのは人間ドラマや感動作品ではなく、純粋なエンタテインメント志向が窺われ、初回のテンポの良いスピーディーな展開を見ても、謎解き、サスペンス、キャラとストーリーの面白さが主眼なんだろうけど、そういう作品で波瑠さんや林遣都の芝居が他のキャスト陣や演出も含めて、どんな化学反応を示すのか、これまでにない醍醐味に次回以降も期待は十分。

 

てか、そういう理屈はいいので(笑)、もう単純にドラマの面白さにどっぷり浸りたい。

ちなみに、このブログではいわゆる「考察」をする予定はないので、あしからず(笑)。