1か月以上前に観た映画なのだけど、時間がなくて、感想もうまくまとまらず、ブログに書く機会を逸していた。
非常に感動した作品なのだけど、たいした感想も書けそうにないので、とりあえず備忘録だけ残しておく。
映画のストーリーは、公式サイトから。
18世紀フランス、ブルターニュの孤島。
画家のマリアンヌはブルターニュの貴婦人から、娘のエロイーズの見合いのための肖像画を頼まれる。だが、エロイーズ自身は結婚を拒んでいた。身分を隠して近づき、孤島の屋敷で密かに肖像画を完成させたマリアンヌは、真実を知ったエロイーズから絵の出来栄えを否定される。描き直すと決めたマリアンヌに、意外にもモデルになると申し出るエロイーズ。キャンバスをはさんで見つめ合い、美しい島を共に散策し、音楽や文学について語り合ううちに、恋におちる二人。約束の5日後、肖像画はあと一筆で完成となるが、それは別れを意味していた──。
とても美しく、そしてとても悲しい映画。
本当の愛とは何か、深く考えさせられる、いや、考えるというより、深く感じるということ。
女であることにより抑圧的な境遇にとらわれた二人の主人公、お互いの真の孤独と美への希求が強く共鳴し、束の間の奇跡のようなサンクチュアリで、儚くも激しい愛が燃え上がる。
なんと言ったらよいのか分からない。一種の嫉妬のような気持ち。
男女の間には決して成立しない愛。欲望による支配とは無縁の関係。
自分が男であることが悔やまれてならない。
自分には決して得ることのできないこの美しさ、そもそも美というのは、抑圧の代償としてしか存在しないのではないか、そんなことまで思わされる。
しかし、それを羨むことは間違いであり、羨むことすら許されない。
これは思想ではない。
芸術にしか表現できないものがここにはある。
今はまだうまくこの映画の感想を書けないようだ。
もし、そのうちもっとましなことを書けるようなときが来たら、そのときにまたあらためて。