いやあ、何とも楽しくて、可笑しくて、そして、ちょっとわくわくどきどきする。

このドラマ、まー、こう言っちゃあまりに当たり前なんだけど、美々先生が主役なんだよね。美々先生の飛び切りの可愛らしさ、人柄の面白さ、その存在感と魅力が観る者を作品の世界にぐいぐい引き込んでる。

 

正直言って、ストーリーとしては、無理矢理な感がなきにしもあらず、てかかなり強引(笑)。

青林が不意に健康管理室を訪れて腰マッサージとか、唐突に縄跳びトライアルとか、脈絡なく自宅バーベキューからの、どう考えても不自然なかくれんぼ。で、はたまた出来すぎの偶然で狭いクローゼットの中に息をひそめて二人きり、って何これ?(笑)。

で、庭でバーベキューのときは会話もないのに、家の中では誰もマスクをしてない。でも、マスクをしてないから、美々先生のあごのホクロが見えるわけで、ゴミと間違えるとか(笑)、訳の分からないギャグにもなるわけで。いや、それはゴミじゃなく、ホクロですぅ~っ!には爆笑。まさかドラマの中で波瑠さんのホクロいじりなんて、はじめての衝撃(笑)。

そして、縄跳びの一件もおでん種の一件も最後の告白シーンも、美々先生がこんなにアピールしてても、草モチが誰か分からないとか、意識している気持ちが伝わらないとか、青林の鈍感さは、ある意味常軌を逸してる(笑)。

ドラマの台本としてはこんな結構な無茶ぶりの連続なのに、それにまったく違和感を覚えないってのは、いや、すごい(笑)。

 

これもひとえに美々先生を演じる波瑠さんのお芝居の説得力の賜物だと思う。

きっかけはSNSでの草モチと檸檬としてのおしゃべりだったけど、今でははっきりとリアルの青林のことが好きになってる美々先生。このバーチャルからリアルへの気持ちの自然な移り変わり、自分でもどぎまぎどこか戸惑いながらも、恋心が次第に前のめりになっていく心情描写、いや、描写とか表現とか、そういう意図的なものを感じさせないリアリティー。

マスクをして目だけの表情でもこんなに豊かで、目の前に相手のいない一人の芝居でもこんなに感情移入させられ、心の声のモノローグがこんなに見事に映像表現とマッチする。

そうして、ドラマを観ている誰もが美々先生を応援したくなる。

波瑠さんが主演のドラマは、もちろんこれまでもたくさんあったけど、ここまで主役としてのウェイトの大きさとキャラの魅力中心でドラマを強く引っ張るお芝居はなかったんじゃないかな。

もちろん、このドラマが楽しいのは、波瑠さんだけの手柄じゃなく、美々先生と絡み、美々先生を支えるキャラクターとその演者たちがみなしっかりとした芝居でほのぼのと暖かいハーモニーを醸し出してるから。

そういう意味では、特に、メインの相手役(?)である青林(松下洸平)とのハーモニーはなかなか絶妙なものがあると思う。

 

思うに、美々先生も本当は、縄跳びも苦手のようなへなちょこな、気が弱くて優しい男がもともと好きだったんじゃないかな。ドラマの初回でふられてたお茶漬けのような男とか。実は極上ステーキよりもキャベツが好き。フランス料理とか言われて、本来の自分とは違う、無理してプライドを身にまとってきたけど、檸檬=青林と出会って、やっと自分の気持ちに正直になれるようになってきた。

リモラブって、バーチャルの方がリアルよりも正直になれる、少なくともそういうきっかけになる。普通の恋は邪道、っていうのも、普通の恋=自分を偽った恋では見つけることのできなかった何かに気が付く、ってことなのかも。

 

で、次回はついに檸檬=青林にも草モチの正体が分かって、二人ともリアルの世界での恋に直面する。予告映像は、例によって、ミスリード狙いのような、いや、でも、ちょっと見ただけだと、何だか美々先生があんまり切なく可哀そうで、自分まで涙ぐみそうになっちゃうんだけど(笑)、リアルの世界で二人がどうなるのか、気が気じゃないが、ただただ美々先生の幸せを願わずにはいられない。

でも、このドラマのテーマ的には、ここからが本番なのかもしれないな。草モチと檸檬の「リモラブ」は、バーチャルとリアルの世界を行きつ戻りつ、きっとこれからも続く、その恋物語のもどかしさとドタバタ(笑)がこれからも楽しみ。

 

と、いつもはドラマをリピートして観てから書く感想を、今回は放送の翌日にあわててさっと書いたのは、だって、明日は「ホテルローヤル」の封切だし、こっちの映画の感想もまた書かなくちゃいけないから。

何にせよ、舞台挨拶中継の予約がとれて良かった。でも、どちらにせよ、映画も1回観るだけじゃ終わらないし、いや、忙しい(笑)。

来年のドラマの情報もなんだかネットでちらっと漏れてたけど、波瑠さん主演作品が目白押しでほんと嬉しくて。