あー、とにかく美々先生が健気で、素敵で、愛おしくてしかたがない。

ドラマが回を重ねるごとに、こわばっていた当初のキャラクターが緩んで、堅物でシビアな外見とは裏腹の、優しく誠実で純朴な内面の魅力がにじみ出してきてる。

こりゃ確かに、五文字や青林でなくても好きにならずにいられない。八木原や富近先生は最初から美々先生を応援してたけど、人柄をよく知ってたからなんだろうな。

で、もちろん演じてる波瑠さんの抜群のビジュアルだから、もてないわけがない。

あれ、なんだか美々先生がまるで実在するかのように錯覚。自分も美々先生に夢中(笑)。

 

檸檬の正体が青林だと判明して、まるで地団駄、煩悶する美々先生だけど、何でか分からないけど嫌、というのが実はポイントで、これが本当は「好き」につながってるんだと思う。

朝鳴や五文字を檸檬と勘違いしてたときに感じていた違和感が、青林に対してはあまりないのは、たぶん檸檬との会話と青林の人柄にギャップがほとんどないから。

青林のことを拒絶してたのは、安孫子沙織という彼女の存在を認めたくなかったのもあるだろうけど、自分が夢に描いてきた極上ステーキとしなびたキャベツとの落差があまりに大きすぎること、それに、自分の中にも檸檬と通じるところがある、フランス料理という自負とは異なる一面、お人好しで素直で、決してクールでもカッコよくもない、そんな一面があって、心の中のどこかで檸檬こと青林と共鳴してること、それを認めるのが怖いんじゃないかな。

それがもしかすると美々先生の心の中にぽっかりあいた穴なのかもしれない。

他人に誤解されやすく、知らず知らずのうちにプライドでがちがちに、強気の虚勢を張って生きてきて、気が付くとひとりぼっち、インド飯ジャーニーと猫だけが心の友(笑)。

 

富近先生の言葉を思い出して、一人ベランダで街の夜景を見ながら、じっともの思いにふける美々先生の眼差しがたまらなく可憐。胸キュンとかって言葉、自分はあまり好きじゃないんだけど(笑)、この波瑠さんのセンチメンタルな表情には、確かにどこか胸のあたりの奥の方がツンとなりそう。思い切って、檸檬にメッセージを送るときの真っすぐな面持ちにもぐっとくる。やきもきしてさんざん待った挙句の檸檬からの返信、おっせーんだよ、青林のくせにぃ、って思わす笑みがこぼれる美々先生に、何だか自分まで嬉しくなって。その後の草モチと檸檬の他愛ないおしゃべりも、オアシスで喉の渇きを癒すような、美々先生の安らぎの表情がとても美しく、おしゃべりの最後の、お休みなさい、またね、の声の柔らかい響きが、寂しい心の穴を埋めるように、スマホをそっと胸に抱く美々先生の切ない微笑みに重なって、じーんと余韻に引き込まれる。

 

こんなに誰かに健気で淡い恋心を寄せる波瑠さんのお芝居、これまであまり観たことがなかったような気がする。これ、美々先生の外見と内面とのギャップがあって、リモラブというだけあって、相手とのやり取りが文字での会話だけ、職場でのカオスな状況と部屋で一人のシーンとのコントラストが大きいから、なおさらだと思うし、そのコントラストの表現がほんとに絶妙。

ああ、やっぱりこのドラマ、恋愛ドラマなんだよね(笑)。

ラブコメっていうけど、恋愛ってのは、特に美々先生みたいに、根は真面目で不器用な人が一生懸命になればなるほど、周囲には可笑しく見えてしまう。だから、恋愛ドラマは、本質的にはコメディーにならざるを得ないんだな、と思ったり。

 

で、次回の予告見ると、子供とかくれんぼだったり、いきなり自宅でバーベキューだったり、相変わらずの意味不明な状況(笑)、今度はまたコメディー展開か、青林と五文字に挟まれて、美々先生の恋の行方がどうなるのか、次回がほんとに待ち遠しい。