ずっと念願だった3人のコンサートが実現。終始暖かな幸福感に包まれたエピソードだった。也映子が泣かない回は珍しい(笑)。
でも、観ているこっちは、幸恵の感謝の挨拶と、也映子から眞於を思っての言葉、それに涙する眞於の姿にまたまたもらい泣き。ただ、今回の涙は喜びの涙。也映子の気持ちがやっと眞於に伝わって、感無量。本当によかったね、也映子。
3人を取り巻く人々との関係も屈託なく、雲がかかっていた空も晴れ上がるようで、心地よい。回想シーンに3人の思いが重なり合って、まるで最終回のような大団円。
いや、普通のドラマだったら、これで最終回でもよいのかもしれないけど。
このドラマ、今回の冒頭で、神様ありがとう、わたしたちをここにたどりつかせてくれて、と也映子に思わせておいて、でも、最後の最後には、神様はドSだ、となじらせることになる(笑)。
上手くできてるよなあ。
単純なめでたしめでたしでは終わらない、いや、終われない。
視聴者も多くは、この3人のおしゃべりや掛け合い、互いに思いやり、支えあう姿を観ていられれば幸せ、なんだけど、そう簡単にはいかない。脚本家もドS(笑)。
共感する力は、その持ち主にとって、かえって重荷にもなる。
相手のことを思えば思うほど、うわべの人間関係だけでは済まされない、深みにはまってしまう不安が生まれる。円満な関係も、境界を踏み越えることで、お互いを傷つけ、取り返しのつかない破綻にいたってしまうかもしれない。
抑え込んでいた感情を解放することは確かに救いにもなるけど、それを自分自身でコントロールできなくなって、身を滅ぼすことになることだってある。
3人がやっとたどりついた居心地の良い場所、サンクチュアリだけど、一瞬にして崩壊してしまうかもしれない危うさを秘めている。
打ち上げのレストランで二人きりになって言葉に詰まってしまう也映子と理人、それを気が気でなく、歯がゆく見つめる幸恵。
くっつくか、くっつかないか、なんていう単純な恋愛ドラマの帰結、ということじゃなく、相手を心から思いやる気持ちを失わずに、どうやって自分の気持ちに嘘をつかず、相手に向かって心を開いていけるか、それが試されるときが来ているんじゃないか。
次回は、いよいよドラマのクライマックス。
気持ちはすごく盛り上がってきてる。
でも、一方で、もうすぐこのドラマとも、也映子ともお別れかと思うと、寂しさもひとしお。