緊張感が高まってきたなあ。
いよいよ、娘と母との気持ちのぶつかり合いになってきた。
美月と顕子の二人のシーンでは、あ、あ、それを言ったら、うわっ、この状況、まずっ、やばっ、って、思わず声が出そう(笑)。
 
顕子の心情がだんだん混乱して収拾がつかなくなっていく一方で、美月は逡巡しながらも少しずつ自立への道を歩み始めている。
美月が顕子に自分と松島とどちらが大事かと迫られるシーン、松島の家での食事シーン、そしてハイライトは、帰宅してキッチンでの顕子との対決シーン、と美月の眼に本当の気持ちがだんだん現れてきて、力を感じるようになってきた。
どっちが大事か聞いたのは冗談、と聞いてほっとしたのも束の間、家を出る話を聞いた顕子が感情を押し付けて、美月の逃げ場を塞ごうとしてくるのに対し、怯えつつも必死に抵抗しようとする美月がすごく健気で胸がふさがりそう、どきどきする。
また、学校でも礼美との関係が変化してきたリ、礼美の母親への訴えシーンとか、思わず頑張れって言いたくなる。
心なしか、授業での英語の発音もだんだんこなれてきたような。些末なことだけど、ツイッターやネットの掲示板では、波瑠さんの英語がいまいちとか書かれてたりするけど、これ、意図した演出だと思うけどな。美月の英語がネイティブ発音だったりしたら、アメリカナイズされた個人主義の自立イメージが出てしまって、ドラマの設定にそぐわないでしょ。出来るのにやらないのか、出来ないからやらないのか、そんな背景や事情はどうでも良くて、こういうお芝居の方がぴったりであることは確か。
波瑠さんは、制作発表のインタビューとかで、美月は成長したり後退したり、もどかしく、じれったく見えるかもと言ってたけど、編集の上手さか、ドラマでは少しずつでも確実に成長しているように見えるけどな。
これから顕子との正面からの対決という試練になりそうだけど、ますます見ごたえのある展開が期待できそう。
 
でも、他方でこの新築の家、という設定が何気に効いてて、とても物悲しく思えてくるな。家が建っても、美月の部屋に住む人はいるのだろうか、家族3人の未来図はどうなるのか。何かそこには「あはれ」を感じる。そういう意味では、今は問題の根源であるだけの顕子にも、どこかで救いがあってほしい、そう思えるようにドラマは進んでいくんだろうな。
 
ところで、ドラマのWEBサイトの掲示板見ると、設定がリアルとか、同じような母娘関係が多いような書き込みが結構あって、へー、とちょっと驚いたりしてる。そうなんだ。
自分も一応人の親だから、想像できないわけでもないけど、現代社会ってのはやっぱり深い混迷があちこち実在してるんだな。
でも、自分は親として、野生動物の親子みたいなのが一種の理想だな、と思ってる。サケの親みたいに、命がけで川を遡って、やっとの思いで産卵したら、親はすぐに息絶えて死んでしまう。人間も子育てが終わって、親の責任を全うしたら、子供に何も期待せず、負担もさせず、静かに死んでいく。そうなりたい、って思うが、ま、人間はなかなかそう思うようにもならないのが、業ってやつなのかな。親子関係はやっかいだよね(笑)。
 
それにしても、来週もまた波瑠さんのお芝居が見られる、この幸福。何とも言えない。