波瑠さんの出演作なら、他にもっとまともな良い作品がいくらでもあるだろうに、何故こんな馬鹿馬鹿しくくだらない作品を取り上げるのか、と思われるかもしれないけど。

 

ま、確かに「スイッチガール!!」は、波瑠さん出演作の中でも「山形スクリーム」と並んで、おそらく一番おバカなドラマで、波瑠さん演じる愛称(?)ボスザルこと城ヶ崎麗香は、波瑠さん史上一番のおバカキャラかもしれない(笑)

このボスザルという役については、トーク番組でも波瑠さんから昔の笑い話として出てきていて、本人も照れくささ、恥ずかしさはあったんだろうと思う。でも、その話し口調を聞くと、何となく面白がってるような、どこか楽しかった思い出のような印象も受ける。

 

ファンとしては、これを決して波瑠さんの黒歴史だと思わない。

むしろ、こんなおバカキャラなのに、どうしてこんなに可愛く、ときにすごく綺麗で、好きにならずにいられないんだろうと思うほどだ。

まあ、初回から制服スカート脱げちゃったり、クレンザーまみれの白塗りで双眼鏡覗いてたり、ゴリラ歩きで徒党組んで行進してたり、少女マンガの敵役テンプレの高笑いとか、美少女戦士コスプレとか、男にふられて漫画チックな号泣とか、でも、それが全然下品にならない。

お高くとまった意地悪なアンチヒロイン設定のはずなのに、まったく憎めないんだよね。いや、それどころか、この作品の全体的におバカでお下品な雰囲気に、ひととき清涼感さえ与える、一種スパイスのような役割の愛すべきキャラになってる。

典型的な敵役キャラでさえ、波瑠さんが演じると一味もふた味も違って、感情移入してしまう、独特の魅力を持った素敵なキャラになる、という好例。

考えてみれば、波瑠さんって、昔からコメディエンヌの資質とかセンスとか豊富だったよね。

 

また、この作品は、波瑠さんのセブンティーン&ロング時代の最後の連ドラ作品。ビジュアル的にもロングの波瑠さんとして、「駅弁ひとり旅」やワンデーアキュビューのCMと並ぶ最高の美しさだと思う。ハイパーオレンジの撮影会があったら、自分も行きたいくらい(笑)

この作品以降は、ノンノ&ショート時代になって、本格的なお芝居が中心になり、もうこんなおバカキャラは出来なくなったから、ある意味これは記念碑的な作品。

タイトルのクレジット順でも波瑠さんがトメになってるのは、すごくレア、っていうか、今のところ、このドラマだけかな?なんか別格感があって、いいな。

出番は少なくてちょっと残念だけど、キャラ設定といい、このボスザルの扱いにはどこか作り手の思い入れとか愛着とかが感じられて、嫌な感じがしない。これは、例えば、同じ脇役でも、「ごめんね青春!」の蜂矢祐子とはだいぶ違うところ。

 

でも、ドラマとしては、やっぱり早送り&部分再生パターンにはなるよね、どうしても(笑)

特に、波瑠さんにとっては黒歴史でも何でもないと思うけど、主演の西内まりやにとっては、これってダメージ大きいんじゃないかなあ。頑張って熱演してるのは十分分かるし、思い切った演技に感心もするけど。申し訳ないが、田宮仁香というヒロイン自身をあんまり好きになれないんだよねえ。主人公が敵役よりお下品ってのがねえ、変顔どアップが過剰だし、ビジュアル的にもなんだかなあ、感情むき出しの暑苦しいキャラになっちゃってるし、ここまでやる必要あったのかな(笑)

 

波瑠さんは、きっともうこんな単純なコメディーはやらないんだろうな。

もちろん、波瑠さんに単純なコメディーが相応しいなんて思ってないけど、バラエティーとかならたまには見てみたいような気もする。あるいはコント番組。

NHKのLIFEとか、いつかゲスト出演しないかな。