昨日の患者Mさんの事を
ちょっと書かせて頂きます。
*ご本人には了承済みです
Mさんは
2019年9月左乳がん手術
2021年6月~圧迫開始
着衣はスリーブではなく
エアボウェーブで
24時間装着をされていました。
*エアボ選択理由はわかりません。
半年後にスリーブを購入しましたが
日常使用はしていませんでした。
*因みに圧迫療法の効果は見られていません。
昨日の測定値は
前腕・手首・手背は左右差なし
上腕~腋窩の左右差2~3cm
利き手は右
血管は見えずらく
皮膚はややつまみにくい
ただし左右同等なので
元々の特徴と判断しました。
私の見立ては
リンパ浮腫Ⅱ期前期
繊維化は無いので
エアボの選択は「?」です。
救いは上腕~腋窩に
浮腫が限局していることです。
上腕~腋窩浮腫の原因は
だいたいが可動域制限です。
案の定!
Mさんもそうでした。
退院後は
動かすことの恐怖や痛みで
リハビリ継続が出来ない方は
少なくありません。
しかし...
可動域制限のまま時間が経つと
だんだん拘縮し改善が難しくなります。
挙上できなければ
戻せるものも戻せなくなります。
動きが鈍くなれば
前胸部や背部の
ストレッチが不充分になり
もったり感が出てきます。
放射線治療後なら尚更です。
リハビリの先には
リンパ浮腫予防がある!!
ここは大事なポイントです。
リハビリの
日々の目標は
痛いと感じた少し先です。
小さな先を少しずつ積み重ねていき
最終目標は左右同等...
そこまでは続ける必要があります。
タラレバになりますが
術後指導がもっと丁寧だったら...
早々に可動域制限が解消されていたら...
弾性着衣が適正だったら...
いろんな局面での
初期指導は大事です!
指導をまとめると
1.リハビリ再開
姿見で客観的に左右差を確認
2.圧迫療法の変更
起床~入浴までスリーブ
入浴後~就寝までエアボ
就寝時は圧迫不要
3.肩回しで背部・前胸部のストレッチ
4.irregularな事があった日は丁寧なケア
...Mさんには以上を促しました。
「身体はちゃんと答えてくれる!」
そこにセルフケアの答えがあります。
私の持論です。
リンパ浮腫ケア看護師
福井由紀