大切な人から、クリスマスプレゼントに贈られた手袋。
海や空を越えて、ようやく私のもとに届いたときには新年が明けていた。私には、来ない手袋よりも、その人の気の揉みようの方がはるかに心痛んだ。しかし、その分、包みを開いた時の喜びは何倍にも大きくなった。

縁やボタンに効かせた色合いがシックで、とても気に入っている。一見したときはグレイかと思ったが、よく見ると繊細なヘリンボーンの表地が、光を受けて複雑な色を見せる。少しでも離れたら認識できないほどの。このグレイに何色の色鉛筆を使ったか、わからない。

最近の凍えるような雨や雪の中、それでも近くの桜を見るために出掛ける、まさに花冷えの日、コートのポケットに忘れないように気をつける。
自分の手に1mmも違わない、ぴったりのサイズに驚く。

今は亡き叔母がプレゼントしてくれた、72色の豪華な色鉛筆セットを使って描いてみた。子供の私と一緒に戸外スケッチをしたり、油絵を習っていて私の大きな肖像を描いてくれた人。思い出は遠く、限りない。
しかし、先日書いた、母に買ってもらった子供用色鉛筆に比べて、まったく使いこなせていない。72色もあるのに、母の子供用色鉛筆にしかない色が何色かあったのが不思議なことだ。やはりそちらも捨てられない。私にとって二人の「母」である。

滅多に会えないけれど、この手袋をすると、贈り主の手に包まれているような気がする。
季節のものは、身につける機会が限られている。だから、一日でも多く身につけたい。いつかその人に再会できる日まで。

今、描いていて気づいた。
新品のときは固かった手袋が、微かに丸みを帯びて、私の手の形になってきていることに。

Thank you for your lovely gloves.

(使用画材:色鉛筆、ステッドラーPigment Liner0.3茶、画用紙)