NHKの朝ドラ 『ごちそうさん』 …意外にも(失礼)面白いですね~。
初回、敗戦後の焼け跡で炊き出しを配っているヒロインの姿が出てきた時は、
芝居にチョット無理を見てしまったので、
う、、これ、どーだろうなあと懐疑的だったのですが、
もはや毎日の楽しみになっています。
まあーなにせ皆さんおっしゃってますが、出てくるお料理の美味しそうなことったら。
‘男を落とすなら胃袋を掴め’じゃないですが、
お料理映像でこの番組に完落ち(笑)した人は多いんじゃないですかね。
食にはあまりこだわりのない丸諒でもヤられちゃいましたもん。
ちょうど病院暮らしを始めたのが、『あまちゃん』 最終週からだったんですが、
このドラマになった途端、
母の注意がテレビに向きましたものねえ。
おかげで朝ごはんの介助がだいぶラクになってありがたかったのです。
あたしも食べよ、って気になったみたいで。(笑)
こういうテーマっていうのはパワーがあるんですねぇ。
食は誰もが向き合っていることですものね。
人は生きるために食べるのか、食べるために生きているのか。
自分が今取り組んでいる 『どん底』 の役も、まさにここと正面対峙している女なので、
ドラマの展開に他愛なく笑いながら、生きるってどういうことなんだろ、
ってことが、いつのまにか肌に入ってきている感じがしています。
さすがの森下佳子さんですねー。
もーあの方には コレで 完膚なきまでにヤられてますからね。(笑)
大上段に振りかぶった大真面目をやっていないのが、イイですよね。
回を追うごとにギャグも濃い輪郭を持って打ち出されるようになってきていて、
昨日なんか、夫と幼馴染みのあいだに入ったヒロインの台詞が、
「ケンカはやめてー!わ…た…しのためにあらそわない、で? …エヘ」
って、河合奈保子の曲の歌詞じゃん!
大笑いしました。
大笑いといえば、鬼の小姑・和枝さんも、もはや漫画ですよね。
そもそも二人の男が諍いをすることになったのは、和枝さんの奸計によるものだったので、
リアルタイムで顛末を確認したかったんでしょうねえ、
普段はこんなキレイ綺麗でツンツン高飛車な和枝さんが、
こんなことになっちまってました。
って変装ぉ~?!
キムラ緑子さんも、台本がここまで飛ばしてくれると、
安心して思い切ってええんやね、って役を楽しまれるようになってるんじゃないですかね。
難しい役どころなのに、今や視聴者が一番気にしちゃって夜も眠れない登場人物に(笑)
創られましたもんねえ。
余貴美子さん以来ひさびさの、鮮やかな小劇場女優の登場になりましたね。
毎回面目躍如を見せてくださっていて、ワクワク頼もしく楽しませてもらっています。
この番組で、あたしもごはんづくりガンバロ♪
って思うようになった女性は、いっぱいいると思いますヨ。
個人的には、1月の本番までに焼け跡の炊き出し風景が出てきてくれると、
ヒッジョーに嬉しいんですけど、
まあそれはたぶん間に合わない、かなー。
大阪制作ということもあって、使われるロケ地が 『カーネーション』 でよく見た風景なのも、
とっても嬉しかったりします。
糸ちゃんとめ以子は、もしかして同時代の人じゃないかなあ。
あ、そうそう、おばあちゃん役・吉行和子さんの役名テロップが、
「ぬか床」 に変わったのも、見るたびふふふと笑っちゃいます。
わずかなファンタジーは、このドラマのリアルを余計に引き立てる、
絶妙の隠し味なんですネ。
生きるチカラをさりげなく、これからもご馳走していって欲しいドラマです。