そうそう、先週のラグジュアリーなオフでは(笑)とてもいいテレビ番組に巡り会えて、
Eテレ(元NHK教育)三昧のオフ前夜祭となったのでした。
まず心をほーっと癒してくれたのが、♪みんなのうた。
『誰かがサズを弾いていた』 という曲の、
クオリティの高いアニメーションと、歌詞とメロディと歌声が織り成す哲学的な世界に、
お、おををを~っ♪みんなのうた、これはすでに子どものための番組じゃないだろ、
と感動。
5分間なーんにもしないで聴き入っちゃいました。
(実際の♪みんなのうたではこのハングル文字は入っていません、念のため)
サズというのは、どうやらこの弦楽器のことみたいですね。
中近東やバルカン辺りで爪弾かれている、リュートに似た形の民族楽器だそうです。
弦楽器の音って、いいですよねぇ~さびしげで、ロマンチックで、広がりがあって。
そうして、1時間ほどお風呂に入ったあとで邂逅したのが、
『SWITCHインタビュー 達人達(たち)「平野啓一郎×野口健」』 と、
『ETV特集「ひとりだ でも淋しくはない~詩人・加島祥造 90歳~」』 の2作品。
加島祥造さんは、ご著書を何冊か持っていたので、
アガサ・クリスティの翻訳で得た高名のキャリアを放って、信州伊那谷に暮らされている詩人、
ということぐらいまでは知っていたのですが、
お姿を拝見したのは初めてでした。
とてもいい番組でしたが、このお話はまた今度ということで、
へー!っと鮮烈な印象を刻まれたアルピニストの野口健さんのお話が、今日のお題です。(笑)
途中からの視聴だったのですが、作家の平野啓一郎さんと、
どうやら生と死をテーマにした対談のようでした。
その中で、丸諒の中にもっとも残ったエピソードが、ヒマラヤ登頂の真実というようなお話で。
6000mを超える高山は、音はもとより匂いというものがまったく無い世界なんですって。
匂いとは、生き物がいることの証しなんですね。
つまり自分は今、死の世界の真っ只中にいる、ということを常に突きつけられるわけです。
なので怖くなって、生きている実感を取り戻すために、
自分の心臓の鼓動や汗を探って、肉体の感覚を確かめて自分を保つのだそうです。
実は、山肌には登山家さんのご遺体がゴロゴロしてるんですって。
それを横目にしながら登っていくわけですが、頂上に立つという目標があるので、
登る方が精神的にはまだラク。
怖いのは下山なのだそうです。
目標を達成したことで、自分を支えるものが消える瞬間が目まぐるしく出たり引っ込んだりして、
ついフッと、今生きているということを忘れそうになってしまう。
そんな中では、死の誘惑というのはすぐそこに口を開けている、甘美な魔境なんですね。
死の方に親しみを持ちかねない、というかね。
生の実感が薄くなって、
せっかく登頂に成功したのに突然自分からカラビナを外して谷底に飛んでしまう登山家さんが、
けっこういるんだそうです。
ううぇえええええ?!マジか。。。
でしょお?
そんな通常では有り得ないようなことをしでかしてしまう、人間てそういうものなんですって。
俺は生きる、ということとの圧倒的な闘いになるんですねぇ。。
そんな死線を乗り越えて無事に下界に降りてきた野口さんをねぎらって、
あるとき、後援者の方が祇園に連れて行ってくださったんだそうです。
ところが、登頂直後で生き物の匂いというのを探すクセがついてしまっているので、
野口さんは、ついつい舞妓さんのうなじに引き寄せられて、
鬢付け油とお白粉のはざまの、わずかな素肌の匂いを嗅ぎにいってしまって。
それで、ぷゎはぁ~、、とか安堵しているわけですから、
そりゃ舞妓さんは、ななな、なに???と思いますよねえ。(笑)
で、いやヘンタイでもなんでもなく実は、、と事情を話したら、
舞妓さんはその話を覚えていて、次の登頂のときに、
「京都の舞妓のうなじの香り」 という缶詰を送ってきてくれたんですって。
もお~感動しましたよお!と涙しつつ、またも無事登頂に成功して、てっぺんで缶を開けたら、
ぐ、ぐぇっほっほげほげ。。
人口の匂いがキツすぎて、今度は目が痛くなって涙することに。。。(笑)
下界ではほのかに感じられる香りでも、高山では有り得ない匂いなんですね。
まさに異界。
そこでは、生はあくまで自然の一部。
懸命に努力していないと保てないものなのです。
面白いお話でした。
野口健、世に知られる以上にたまげた御仁だったわけで、
とっても好きになりました。
みんな、山に登ったときには、人のゴミも持ち帰ろうね。(^o^)b
Eテレ(元NHK教育)三昧のオフ前夜祭となったのでした。
まず心をほーっと癒してくれたのが、♪みんなのうた。
『誰かがサズを弾いていた』 という曲の、
クオリティの高いアニメーションと、歌詞とメロディと歌声が織り成す哲学的な世界に、
お、おををを~っ♪みんなのうた、これはすでに子どものための番組じゃないだろ、
と感動。
5分間なーんにもしないで聴き入っちゃいました。
(実際の♪みんなのうたではこのハングル文字は入っていません、念のため)
サズというのは、どうやらこの弦楽器のことみたいですね。
中近東やバルカン辺りで爪弾かれている、リュートに似た形の民族楽器だそうです。
弦楽器の音って、いいですよねぇ~さびしげで、ロマンチックで、広がりがあって。
そうして、1時間ほどお風呂に入ったあとで邂逅したのが、
『SWITCHインタビュー 達人達(たち)「平野啓一郎×野口健」』 と、
『ETV特集「ひとりだ でも淋しくはない~詩人・加島祥造 90歳~」』 の2作品。
加島祥造さんは、ご著書を何冊か持っていたので、
アガサ・クリスティの翻訳で得た高名のキャリアを放って、信州伊那谷に暮らされている詩人、
ということぐらいまでは知っていたのですが、
お姿を拝見したのは初めてでした。
とてもいい番組でしたが、このお話はまた今度ということで、
へー!っと鮮烈な印象を刻まれたアルピニストの野口健さんのお話が、今日のお題です。(笑)
途中からの視聴だったのですが、作家の平野啓一郎さんと、
どうやら生と死をテーマにした対談のようでした。
その中で、丸諒の中にもっとも残ったエピソードが、ヒマラヤ登頂の真実というようなお話で。
6000mを超える高山は、音はもとより匂いというものがまったく無い世界なんですって。
匂いとは、生き物がいることの証しなんですね。
つまり自分は今、死の世界の真っ只中にいる、ということを常に突きつけられるわけです。
なので怖くなって、生きている実感を取り戻すために、
自分の心臓の鼓動や汗を探って、肉体の感覚を確かめて自分を保つのだそうです。
実は、山肌には登山家さんのご遺体がゴロゴロしてるんですって。
それを横目にしながら登っていくわけですが、頂上に立つという目標があるので、
登る方が精神的にはまだラク。
怖いのは下山なのだそうです。
目標を達成したことで、自分を支えるものが消える瞬間が目まぐるしく出たり引っ込んだりして、
ついフッと、今生きているということを忘れそうになってしまう。
そんな中では、死の誘惑というのはすぐそこに口を開けている、甘美な魔境なんですね。
死の方に親しみを持ちかねない、というかね。
生の実感が薄くなって、
せっかく登頂に成功したのに突然自分からカラビナを外して谷底に飛んでしまう登山家さんが、
けっこういるんだそうです。
ううぇえええええ?!マジか。。。
でしょお?
そんな通常では有り得ないようなことをしでかしてしまう、人間てそういうものなんですって。
俺は生きる、ということとの圧倒的な闘いになるんですねぇ。。
そんな死線を乗り越えて無事に下界に降りてきた野口さんをねぎらって、
あるとき、後援者の方が祇園に連れて行ってくださったんだそうです。
ところが、登頂直後で生き物の匂いというのを探すクセがついてしまっているので、
野口さんは、ついつい舞妓さんのうなじに引き寄せられて、
鬢付け油とお白粉のはざまの、わずかな素肌の匂いを嗅ぎにいってしまって。
それで、ぷゎはぁ~、、とか安堵しているわけですから、
そりゃ舞妓さんは、ななな、なに???と思いますよねえ。(笑)
で、いやヘンタイでもなんでもなく実は、、と事情を話したら、
舞妓さんはその話を覚えていて、次の登頂のときに、
「京都の舞妓のうなじの香り」 という缶詰を送ってきてくれたんですって。
もお~感動しましたよお!と涙しつつ、またも無事登頂に成功して、てっぺんで缶を開けたら、
ぐ、ぐぇっほっほげほげ。。
人口の匂いがキツすぎて、今度は目が痛くなって涙することに。。。(笑)
下界ではほのかに感じられる香りでも、高山では有り得ない匂いなんですね。
まさに異界。
そこでは、生はあくまで自然の一部。
懸命に努力していないと保てないものなのです。
面白いお話でした。
野口健、世に知られる以上にたまげた御仁だったわけで、
とっても好きになりました。
みんな、山に登ったときには、人のゴミも持ち帰ろうね。(^o^)b