思春期の女子の友人関係では、「同一化」が非常に起こりやすい傾向があります。

これは性格の問題というより、発達段階と社会的環境が重なった結果として構造的に起こりやすいものです。

思春期は、「自分は何者か」という自己像がまだ安定していない時期です。
そのため、自分単体で立つよりも、「誰かと一緒であること」「同じであること」「共通点を持つこと」によって、安心感を得やすくなります。

 

この段階で起こる同一化は、本来は一時的で、発達過程の一部でもあります。

しかし、ここで不健全な形になると、友人関係が急激に不安定になります。

 

不健全な同一化が起こっている友人関係では、次のような特徴が見られます。

 

・行動や好みを合わせることが前提になる
・意見の違いが「裏切り」と受け取られる
・他の友人関係を持つことを嫌がられる
・感情の浮き沈みを相手に処理させようとする
・距離を取ろうとすると強い不安や攻撃が出る

 

この状態では、「一緒でいること」そのものが目的化し、個人としての感覚や選択は後回しになります。

 

特に思春期の女子の場合、言葉ではなく空気や感情でつながる関係が多いため、境界線が曖昧になりやすいという特徴があります。

 

その結果、

 

・相手の気分に過剰に反応する
・自分の本音が分からなくなる
・関係が壊れないように自分を抑える

 

といった状態に陥りやすくなります。

 

これは友情の深さではなく、同一化による不安定さです。

 

不健全な同一化が進むと、関係は次第に次の二極化を起こします。

 

・常に一緒にいないと不安
・少しのズレで一気に断絶する

 

親密さと拒絶が極端に振れやすくなり、安定した関係を維持することが難しくなります。

 

このとき、距離を取ろうとする側が「冷たい」「変わった」「裏切った」と評価されることも少なくありません。

 

重要なのは、この問題は「性格が合わなかった」からではない、という点です。

未熟な同一化の段階では、違いを保ったまま関係を続ける、という選択肢がそもそも見えにくいのです。

 

成熟した関係性では、

 

・違っていても関係は続く
・感情は自分で処理する
・距離を取っても関係は壊れない、という前提が成立します。

 

しかし思春期では、この構造を学ぶ前に強い同一化が起こってしまう場合があります。

 

思春期の女子の友人関係で起こる不健全な同一化の問題は、誰かが悪いという話ではありません。

発達段階・環境・感受性が重なった結果として起こりやすい構造的な現象です。

 

その構造を理解することで、過去の人間関係を「失敗」や「自分の欠点」としてではなく、過程として捉えなおすことが可能になります。

自己効力とは、「自分で立て直せる」「自分の力で状況に対応できる」「自分なら大丈夫」と自分で思えることです。

うまくいかないことがあっても、失敗しても、また考え直して動ける。その見通しを自分の中に持っている状態です。

 この感覚は、感情や評価とはまた別のものです。誰かに認められなくても、誰かがいなくなっても、自分でやっていけること。その感覚が人を内側から支えます。

 それが「自己効力」です。

 この自己効力が自信や自己肯定に繋がります。
自分に自信をつけようといくらスキルやの能力を磨いても自信が持てない、いくら自分を肯定し続けても心のそこからそう思えないとい人は、この自己効力感が欠けています。

 自己効力がない状態では、成果や評価は一時的な安心にしかなりません。うまくいっている間は大丈夫でも、つまずいた瞬間に一気に崩れてしまいます。なぜなら、「立て直せる自分」という土台が育っていないからです。
 
 反対に、自己効力がある人は、不安がなくなるわけではありません。怖さや迷いを感じながらも、「それでも自分は対処できる」と知っています。この確信があるから、状況に振り回されすぎずにいられます。
 
 自己効力とは精神論や無理に心を強くする考え方ではなく、人生を健やかに回していく生存設計なのです。

この「自分で立て直せる」という力こそが生きる力となるのです。

 

「頭で考えすぎて苦しくなる。やらなきゃと思うのに、心がついてこない。」そんな感覚を抱えていませんか。

 

 本当はもっと自然体でいたいのに、気づけば“男性思考”が強くなって「こうすべき」「早く行動しなきゃ」と自分にプレッシャーをかけてしまう。一方で、静かに本音を伝えようとしている女性思考(女性性)の声はどんどん小さくなり、気づけば心が置き去りになってしまう。そのバランスの崩れが、生きづらさの大きな原因になっている人はとても多いです。

 

 男性思考と女性思考には、それぞれ大切な役割があります。男思考は行動・分析・計画・合理性を担当し、女性思考は感じること・直感・調和・つながりを担当します。どちらが良い悪いではなく、本来は状況に合わせて自然と切り替わるもの。でも、男性性が強くなりすぎると「休んではいけない」「弱音を吐くな」と内側に厳しい声が生まれ、本当に必要なケアや感情処理が後回しになり、どんどん心身の負担が増えていきます。

 

 心理学では、こうした過度に厳しい内側の声を“内的批判者”と呼ぶことがあります。これが強くなり、女性性が押しつぶされると「休みたいのに休めない」「本音がわからなくなる」「焦りや不安が消えない」といった状態になりやすいのです。逆に、女性思考が機能し始めると、自分のペースや気持ちの変化に自然と気づけるようになり、頑張りすぎの悪循環から抜け出しやすくなります。

 

 過度に男性思考が強いと、いつも「ちゃんとしないと」と自分にプレッシャーをかけてしまい、休むことへの罪悪感が出ることもあります。心よりタスクを優先し、体の声を無視してしまうことになるので、体調を崩したり病気に繋がってしまいます。

男性性と女性性は上手くコミュニケーションをとる必要があります。女性性が感じてること、したいこと・したくないことをまずじっくりと批判せずに男性性が受け止める。男性性はそれを具現化するために思考を使います。

 

 ただ、この時に女性性のわがままを男性性が全部引き受けるのではなく、自分の体力や「できる範囲」のことをきちんと認識し、調節する必要があります。なんでもかんでも女性性に従う行為は疲弊しか生みません。

 

 今すぐに女性性の望みを全部叶えることは難しいから、今日は一つだけ、少しだけ、と配分を決めることが大切です。

女性性には必ずやるということを示す。そうすると女性性は安心するので待つことができるようになります。

 

 男思考と女性思考は、本来どちらも必要な内なる存在です。大切なのは、どちらか一方が暴走しないこと。

暴走しないためには、男性性と女性性の相互理解・コミュニケーションが大事なのです。

 

 内なる男性性と女性性

 

 ユング心理学では、人の心には外見上の性別とは関係なく「男性性」と「女性性」の両方が存在していると考えられています。ユングは、女性の中には無意識的な男性性(アニムス)が、男性の中には無意識的な女性性(アニマ)があるとしました。ここでいう男性性と女性性とは、肉体の性別や社会的な役割ではなく、心のエネルギーの傾向を指します。

 

 女性性は、感受性や直感、優しさ、共感、創造性といった「感じる力」に関わっています。人の内側の世界と深くつながり、心の声を受け取り、インスピレーションを生み出す働きを持つエネルギーです。安心したい、愛したい、癒したい、育みたいといった思いは女性性の領域です。

 

 一方で男性性は、行動力や論理性、決断、方向性、目標を達成する力といった「動き・形にする力」に関わっています。外の世界へ向かって前に進んだり、計画を立てたり、実現へと行動を起こしたりするエネルギーです。やりたいことを叶えたい、成長したい、社会で成果を出したいという思いは男性性の領域です。

 

 どちらかが優れている、どちらが正しいという話ではなく、この二つが協力し合うことで人は満たされながら成長していけるとユングは考えました。女性性が強すぎると、夢や感情は深くても行動に移せず停滞してしまうことがあり、男性性が強すぎると、現実的な成果はあっても心が置き去りになり、虚しさや孤独感につながることもあります。直感で湧いたアイデアを行動によって形にしていく。この循環が生まれたとき、人は自分らしく生きている実感を得られるのだと思います。

 

 ユングが言う成長とは、どちらか一方を強めることではなく、自分の内側にある男性性と女性性の両方を知り、認め、統合していくプロセスです。感じることと動くこと、内側と外側、心と現実。そのどれもが自分の一部であり、欠けているものを補ったり、抑え込んでいるものを解放したりしながら、自分全体を生きていくことが大切になります。

感じるだけでも、行動するだけでも、人生はどこか偏ってしまいます。内なる女性性が「本当はこうしたい」と教えてくれた時、内なる男性性が「じゃあこうしよう」と動いてくれる。そんな内側のチームワークが生まれた時、人は満たされながら前に進むことができます。

 

 

 

 

 男性性と女性性のすれ違い

 

 内なる男性性と内なる女性性は持つ性質が異なるので、未熟なままだと上手くバランスが取れません。

 

男性性が女性性を抑圧したり、女性性が男性性に理解を要求したり。いわゆる一般的な恋愛・パートナーシップで起こることがそのまま内側でも起こっています。

 

 実はこの個人個人の内側が外(現実)に反映しているだけなのです。そこが腑に落ちると、恋愛・パートナーシップにおける悩みやすれ違いは「相手の問題」ではなく、自分の内側のバランスを映し出している鏡なのだとわかり始めます。

 

 自分の中の女性性が抑圧されていれば、相手から愛情表現がもらえないとか、大切にされていないと感じやすくなります。逆に、女性性が強すぎて依存が生まれていると、自分の安心のために相手をコントロールしようとしたり、相手に「埋めてもらうこと」を求めすぎてしまうこともあります。

 

 また、自分の男性性が弱くなっていると、自信や決断力が不足し、恋愛で振り回されたり、相手に主導権を握られやすくなります。逆に男性性が強すぎると、支配・分析・結果重視に偏り、心のつながりや柔らかさが感じられなくなり、距離が生まれてしまうことがあります。

 

 結局のところ、相手に変わってほしい、もっと愛してほしい、もっと大切にしてほしいという願いの土台には、「自分が自分の内側を見ていない」というテーマが横たわっています。自分の女性性が満たされていれば、人の愛を試す必要はなくなります。自分の男性性が機能していれば、過度に合わせたり、犠牲になったり、振り回される必要もなくなります。

 

 恋愛がうまくいかないとき、パートナーシップが停滞しているとき、まず焦って外側を操作しようとするよりも、自分の中の男性性と女性性のバランスに目を向けてみる。そこに変化が起きると、不思議なくらい現実の関係性も変化し始めます。相手が優しくなる、安心していられる、無理なく甘えられる、自然と尊重し合える。この変化は、外からやってくるのではなく、自分の内側の変容がもたらす結果なのです。

 

 

 

 

 

 不安との共存

 

 幼少期の不安定な環境や周囲の不安は、大人になっても無意識に残り、特定の状況で強い不安や防衛反応として表れることがあります。心理学者ジョン・ボウルビィは、幼少期の愛着環境が成人期の情動調整や対人関係に影響することを指摘しており、幼少期に安全基地を十分に経験できなかった場合、無意識に不安を感じやすくなることが知られています。また、カール・ユングの理論では、無意識に蓄積された幼少期の経験や感情は成人の行動や感情反応に影響を与えるとされ、心の奥底で生き続ける過去の感情がトリガーによって表面化することが説明されます。

 

 

 心地よい空間や心理的安心を作ろうとすると、過去の不安や防衛反応が表面化することがあります。これは自己妨害や無意識の抵抗(resistance)と呼ばれています。長年の学習パターンが変化に戸惑い、過去の防衛反応が活性化されるためです。レオン・フェスティンガーの認知的不協和理論の観点からも、新しい安心や安定を作ろうとする意図が、過去の無意識の信念や感情とぶつかることで心理的な葛藤が生じやすいことが示唆されます。

 

 

 こうした感情を観察しラベル付けすることで、無意識に巻き込まれる影響を減らすことができます。アーロン・ベックの認知療法では、思考や感情を客観的に認識し、現実との区別を意識することが情動調整に有効であるとされています。不安が湧いたときに「これは過去の防衛反応であり、現在の安全とは別」と認識することは、理論的にも心理的に有効な手法です。

 

 さらに、自己効力感(self-efficacy)の概念はアルバート・バンデューラによって提唱され、個人が目標達成や問題解決において能力を発揮できると信じる感覚が、感情の安定や困難への対処力に大きく寄与することが示されています。

 

 自分で安心や安全を作り出す経験は、幼少期の不安や防衛反応に対する心理的な支えとなります。幼少期の感情や防衛反応は消えるわけではありませんが、それとともに生きながら、自己効力感を基盤に安心を創造することは、感情に巻き込まれずに適切な距離感を保つための強力な力となります。

 

 過去の不安や防衛反応が出てきた時には、まずは理性的にいつの感情なのか、なぜその反応が出てくるかを分析してみましょう。そして、その不安や反応は幼少期の自分にとって当然のことであり、自分を守るための防衛反応であったと認めることが大事です。決して、その反応のせいで今の人生がおかしくなっていると過去の自分を責めないで下さい。

 

 心の安定は自分のインナーチャイルドとの関係が顕著に表れます。

過去の自分はできなかった、でも今の自分なら大丈夫とインナーチャイルドに語り掛け、今の自分が寄り添ってあげることで、インナーチャイルドが少しづつ安心して、過剰に出ていた防衛反応がおだやかになっていきます。

 

情動の識別とは

情動の識別(emotional differentiation)とは、自分の感情と他者の感情、あるいは複数の感情を区別して理解する能力のことです。心理学では、自分の感情を正確に認識できる人ほど、ストレスや不安に振り回されにくく、対人関係でも冷静に対応できるとされています。

 なぜ情動の識別が重要か

私たちは日常生活の中で、他者の感情や周囲の状況から影響を受けやすく、知らず知らず自分の感情と混同してしまうことがあります。情動の識別を身につけることで、外的要因に振り回されにくくなります。

 

自分の感情と他者の感情を区別できたり、不必要な不安や焦りに振り回されにくくなります。

また、感情に基づく判断や行動を冷静に行えるます。

対人関係でも共感と距離感のバランスが取りやすくなります。

 

 

情動の識別の具体的な方法

【感情の観察】
自分の中に生じる感情を一度立ち止まって観察します。「今、自分は怒っているのか、不安なのか、悲しいのか」と細かくラベルを付けることが大切です。

 

【情報の整理】
自分の感情の原因が自分にあるのか、他者の感情や状況に影響されたものかを分けて考えます。たとえば、周囲の焦りを見て自分も焦っている場合、それは他者から伝染した感情である可能性があります。

 

【表現と調整】
感情を言葉にして整理すると、無意識の混乱が減ります。日記やメモ、信頼できる人との会話で「これは自分の感情、これは他者の影響」と明確に意識することも有効です。

日常での活用

職場で同僚が不安を口にしたとき、感情をそのまま受け取ると焦りが増します。しかし、情動の識別を意識すれば「これは同僚の不安で、自分が同じように不安になる必要はない」と判断できます。

家庭や友人関係でも同様です。相手の感情を理解しつつ、自分の感情を混同せずに区別することで、冷静な対応や適切なサポートが可能になります。

 

情動の識別は、自分の感情と他者の感情を区別し、冷静に対処する力です。感情を正確に理解できると、ストレスや不安に振り回されず、より安定した心理状態を保てます。日常生活で少しずつ意識するだけでも、感情のコントロール力や人間関係の質は大きく改善されます。

 

情動の伝染とは

日常生活で、周囲の人の気分に影響されることはありませんか。たとえば、誰かがイライラしていると自分まで落ち着かなくなったり、楽しそうな人のそばにいると自然と笑顔になったりすることです。

心理学では、この現象を「情動の伝染(emotional contagion)」と呼びます。情動の伝染とは、他者の感情が無意識に自分の感情に影響を与え、同じような気分や反応を生じさせる現象です。

 

情動が伝わる仕組み

◇ミラーリング(模倣)
人は他者の表情や動作、声のトーンを無意識に真似する傾向があります。この模倣によって、相手の感情が自分の中で再現されます。

 

◇神経科学的反応
脳にはミラーニューロンと呼ばれる神経細胞があり、他者の行動や表情を見ると、自分の脳内で同じ感情や動作が活性化されます。これが無意識に感情が伝わる神経的な仕組みです。

 

◇共感的認知
人は他者の立場や状況を理解しようとする過程で、その人の感情を自分の中に取り込むことがあります。これは共感による伝染です。

 

情動の伝染の良い面

情動の伝染は、社会的に重要な役割も果たします。職場で前向きな人がいると、周囲のモチベーションや協力意識が高まります。また、子どもが安心して学べるのは、教師や親の落ち着いた態度が伝わるからです。感情の伝播は協力や信頼の基盤になることがあります。

 

注意したいネガティブな伝染

一方で、ネガティブな感情も同じように伝わりやすく、不安や怒りは特に感染力が強いです。たとえば、不安が強い人の周囲では、他者も同じように焦りや不安を感じやすくなります。この場合、自分の感情と他者の感情を区別することが大切です。心理学ではこれを情動の識別(emotional differentiation)と呼びます。他者の不安をそのまま自分の不安として受け取るのではなく、事実と感情を分けて理解することで、冷静さを保つことができます。

 

 

職場での情動の伝染

職場では、上司や同僚の態度や気分がチーム全体に影響を与えることがあります。例えば、イライラした同僚がいると、周囲の人も焦りや不安を感じやすくなります。逆に、前向きで落ち着いた人がいると、チーム全体の雰囲気が穏やかになり、作業効率や協力意識が高まることもあります。職場での情動の伝染は、チームのパフォーマンスやコミュニケーションに直結する重要な現象です。

 

家庭や友人関係での影響

家庭や友人関係でも情動の伝染は起こります。親の落ち着いた態度や楽しそうな様子は子どもに安心感や喜びをもたらします。一方で、家庭内の不安や緊張が続くと、子どもも同じように不安を感じやすくなります。友人との会話でも、悩みや不安を共有することで共感は得られますが、同時にネガティブな感情が伝染してしまうこともあります。

 

SNSやオンラインでの影響

現代ではSNSも情動の伝染の場となります。ニュースや投稿で強い感情に触れると、それが自分の気分に無意識に影響することがあります。例えば、怒りや不安が強い投稿を連続で見ていると、知らず知らず自分も同じ感情に引きずられやすくなります。オンライン上の伝染は、距離感や対面のフィードバックがない分、自分で意識的に感情を整理することがより重要になります。

 

情動の伝染への対処法

情動の伝染に振り回されないためには、自分の感情と他者の感情を区別することが大切です。心理学ではこれを情動の識別(emotional differentiation)と呼びます。例えば、職場で同僚が焦っていても、それは同僚の感情であって、自分が同じように焦る必要はありません。また、自分の感情を整理するために深呼吸や短い休憩を取ったり、客観的に事実を確認したりすることも有効です。

 情動の伝染は、職場、家庭、友人関係、SNSなど日常のあらゆる場面で起こります。他者の感情に影響されること自体は自然なことですが、無意識のまま受け取ると、焦りや不安に振り回されてしまいます。自分の感情と他者の感情を意識して区別することで、ネガティブな伝染に巻き込まれず、より安定した心理状態を保つことができます。

インディヴィデュエーションのプロセス

ユング心理学におけるインディヴィデュエーション【個性化】は、意識と無意識を統合しながら自己の中心に近づいていく心理的成長の過程です。ユングが提唱しているインディヴィデュエーションとは自己実現と捉えることができます。

 

1. 危機や違和感の出現

インディヴィデュエーションは、多くの場合、人生の中で違和感や行き詰まりを感じたときに始まります。これまでの価値観や生き方では意味を見出せなくなった瞬間、心の深層からの呼びかけが起こります。夢や偶然の出来事、強い感情の揺れは、無意識が意識に接触を試みているサインです。

 

2. 無意識との出会い

次に、自我がこれまで抑えてきた無意識の要素と向き合うことが必要になります。ここでは、自分の中に潜む未整理の感情や抑圧された衝動、未知の心理パターンが浮上します。インナーチャイルドの癒しもこの段階において重要です。最初は混乱や抵抗を感じることがありますが、心の成長のために不可欠な段階です。

 

3. 意識への理解と統合

無意識からのメッセージに気づき、それを理解しようとする段階です。夢や日常での出来事、感情の反応を観察することで、自我は無意識の内容を少しずつ受け入れます。この段階で葛藤や抵抗も起こりますが、それらも自己の発達にとって必要なプロセスです。

 

4. 自己(セルフ)の認識

自我が中心ではなく、もっと深い存在が心を導いていることに気づく段階です。ユングはこの中心を「自己(セルフ)」と呼び、人生の方向性や意味を内側から感じ取る力として捉えました。外的な価値や社会の期待ではなく、内なる感覚や直観に従うことがここで重要になります。

 

5. 循環的な成長

インディヴィデュエーションは一度で完成するものではありません。意識が広がるたびに新しい無意識の層が現れ、再び統合の作業が始まります。この繰り返しの中で、心は徐々に調和を取り戻し、自己の中心に近づいていきます。

 

6. 自然で誠実な生き方の確立

最終的には、完璧さを目指すのではなく、内なる流れと調和して生きる状態を目指します。外的理想像に縛られるのではなく、自己の中心に導かれる生き方を選ぶことが、インディヴィデュエーションの成熟した心の在り方です。

本当に上手くいっている? 

 

「上手くいってるのに浮気されていた」

「新婚旅行から帰って来たばかりの時に相手の浮気が発覚した」などなど。

 

自分では「上手くいっていた」「ラブラブ」な状態だったのに、浮気されてたケースがあります。

夫婦仲も然り。仲良いと思っていたのに相手に不倫されていた、、、と寝耳に水状態。

 

男女問わず、こういったケースがあります。

 

 

耳が痛い話をします。

現実を受け止められない方は画面を閉じて下さい。

 

でも、同じことを繰り返していたり、もう変えたい!と強い意志で望んでおられる方にとっては、とても参考になると思います。

 

 

準備は良いでしょうか。

 

 

では、、、

 

 

 

 

自分では「上手くいっている」と思っていたかもしれませんが、事実は全く違います!!!!!

上手くいっていると思っていたのは「自分」だけです。

 

そのことに気が付かない限り同じことを繰り返します。

 

 

もう一度、言います。

上手くいっていると思っているのは自分だけ。

 

 

 

「愛されていなかった」

 

 

 

その現実を受け入れることができますか?

今この画面を閉じてしまっても良いですが、そのままではまた同じことを繰り返します。

いくら相手を変えても、自分の内面を変えない限り、必ずやり直しをさせられます。

 

 

めちゃくちゃ厳しいことを言っていると思います。

この事実を受けいれることは辛いと思います。

 

でも、大丈夫!!

 

何が起こっているか、今から解明致します!!!!

 

 

 

 

 好きにな様にさせてくれることが愛情ではない

 

 

 このパターンに陥る人にとっての勘違いポイントがここです。

 

「付き合い当初は喧嘩も多かったけれど、今では口出しせずに自分の好きな様にさせてくれる。」

「好きな様にさせてくれることが愛情だ」「愛されているな」

 

と思っていませんか?

だから、結局浮気・不倫されて別れたとしても、「私は愛されていた」という想いが残ってしまい、内省につながりません。

なので同じことを繰り返します。

 

ですが、相手側の事実は全く異なります。

 

相手が何も言わなくなった時、

 

それは

 

「あきらめ」なのです。

 

「何言っても無駄だわ」

 

そうなったとき、相手の愛情は冷めきっています。

 

 

 

 何も言わないことは愛情ではない

 

 

 

単なる諦めなのです。

 

もしくは、あなたとコミュニケーションを取ることを拒否しています。

あなたへの拒絶にも近いと思います。

 

そうなると、パートナーは他に気がいってしまいます。

だからって浮気や不倫を肯定する気はありません。

ただ究極的に客観視すると、こういった事実が見えてきます。

 

心が満たされるパートナーシップを築きたい思いがあるなら、この事実から逃げてはより良い方向へ進めません。

 

「だったら自分の意見を言えばいいのに」

「自分が折れなければ良いのに」

 

と相手のせいにするこは簡単ですが、それで上手くいくでしょうか。

 

「相手の意見をちゃんと聞けてたかな?」

「自分の固定概念を押し付けていたのかな」

 

とまずは自責で考えることが成長への第一歩です。

 

 

 

 

 

対策①意識

 では、どうすれば健全なパートナーシップを持つことができるか。

 

まずは、「パートナーシップとは自分と相手と二人の人間が譲歩・思いやり・尊重する関係性である」ということを自覚します。

 

「良いように甘えさせてくれて楽」な相手でも「なんでも言うことを聞いてくれる」相手でもありません。

 

相手と自分は対等です。パートナーシップには上も下もありません。

 

また、「こう」という決まった形も形態もありません。柔軟に捉えることが必要です。

 

お互いが歩み寄れる時もありますが、相手に合わせるときも、自分に合わせてもらうときもあって良いのです。勝ち負けではありません。

 

 

 

対策➁相手への確認

ひとりよがり、自分だけで決めない。

 

相手がいることなので、ちくいち確認することをおすすめします。

 

自分が思っていることで合っているか、相手は大丈夫か。

その確認をするだけでも、相手に安心を与えることができます。

 

相手に「聞く」という作業もパートナーシップを上手くいかせるコツです。

 

 

 

 

ポイント

 自分と相手とをすり合わせることを意識に置くだけでも、パートナーシップが変わってくると思います。

 

それは「事実」ベースであるかということと、自分の「独りよがり」な考えでないかという問いが大切です。

 

基準にすることは「自分の主観」でなく、「相手の言動」「相手の様子」「相手の気持ち」です。

そのうえで自分がどう感じるか、どう考えるか、どう決めるかがポイントです!

 

 

 

 

注意点

 どのタイプにも当てはまる訳ではありませんのでご注意下さい。

別タイプの浮気されるパターンもあるので、別タイプの方には以上のことは当てはまりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 インディヴィデュエーション【個性化】

 

 心理学者カール・グスタフ・ユングが提唱した「インディヴィデュエーション(個性化)」は、人が自らの心の全体性(wholeness)へと近づいていく心理的発達の過程を指しています。単なる「個性を伸ばす」という意味ではなく、人間が自分という存在を深く理解し、内面の中心に根ざして生きるようになるまでの精神的成長のプロセスです。

 

 私たちの心は意識と無意識の二重構造となっています。意識は日常生活を営む表層の心であり、無意識はその下に広がる、膨大で未知の領域です。無意識には、個人的な体験から生じた記憶や感情だけでなく、人類に共通する原型的なイメージやエネルギーが含まれています。ユングはそれを集合的無意識と提唱しています。

 

 インディヴィデュエーションとは、この無意識の内容と意識とのあいだに橋をかけ、両者を調和させることを意味します。つまり、心の中で分断されていたものをつなぎ合わせるということです。

 

 ユングは、すべての人の中心には「自己)」と呼ばれる統合的な原理が存在すると考えていました。自己は、意識の自我よりも深い場所にあり、人生を通して人が成長していく方向を静かに示している。この自己に導かれることで、人は単なる社会的役割や外的価値から解放され、本来の存在として生きるようになる。

 

 インディヴィデュエーションは、他者と違う「特別な自分」を作ることではなく、むしろ誰もが内に持つ普遍的な心の構造と調和して生きることを目指すことです。外の何かを足すのではなく、内に眠る本質を見いだし、育てていくプロセスです。

 

 それは一生をかけて進む道であり、完成という終点はありません。ですがそのプロセスを歩む中で、人はより誠実に、より自然に、自分という存在を生きられるようになります。ユングの提唱するインディヴィデュエーションとは、まさに「人間が魂として成熟していくためのプロセス」であります。