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「お二人の悪役対決もまた観てみたいですね。」
「どっちが悪いか、ですか? うーん。 負けちゃいそうだなあ。 未緒にも、ナツにも。」
「ひどいです! でも、負けませんよ。」
「お二人の様子を見ていると、恋愛ドラマも観てみたい気がしますね。 どうですか、相手役に?」
インタビュアーの言葉に、蓮は嬉しそうに頷き、キョーコは恐怖にひきつった。
「どういう意味かな? その顔は。」
蓮がキラキラした笑顔で問いかけると、キョーコの顔はさらにおびえを見せる。
「いえ、私なんて、敦賀さんの相手役はまだまだまだまだだと思います。」
「まだが多くない?」
「え、と。 すみません。 もっと修業を積んでから挑戦させてくださいー。」
「やれやれ、いつになることやら。」




「今後のお二人のご予定とか、やってみたい役とかうかがえますか?」
「そうですね。 悪役もやりがいはありますが、恋愛物とかコメディとか、未知の分野にも興味がありますね。」
「敦賀さんのラブコメ!? ぜひ観てみたいです!」
インタビュアーが勢いこむのに、蓮は苦笑する。


「京子さんは、どんな役がやってみたいですか?」
「似合わないのはわかっているんですけど、お姫様とか妖精とかやりたいです。」
蓮はこらえきれずくすくすと笑っている。
「京子さんはファンタジーがお好きなんですね。 でも似合わないなんてことないですよ。 先日のドレス姿、本当に綺麗でした。 またぜひ華やかな姿も観せていただきたいです!」


「じゃあ、彼女の妖精と魔王な俺とのラブコメっていうのはどうでしょうね?」
「わあ、面白そうですねえ。 どなたか脚本書いてくださらないでしょうか。」
魔王と聞いた瞬間にキョーコの顔が蒼ざめたが、インタビュアーはそれに気づかずシメに入った。


「今日はどうもありがとうございました。 誌面ができたらお送りしますので、チェックしてくださいね。 敦賀さんと京子さんのプライベートでも仲好しな雰囲気が伝えられるといいんですけど・・・。」
「こちらこそどうもありがとうございました。 雑誌楽しみにしています。」
「どうもありがとうございました。」