アルカトラズの聖夜 妄想少女と無口な少佐

彩本和希  コバルト文庫 


離れ小島自体が高校の敷地という学校に通う

妄想僻のある女子高生・宮古が主人公です。

自分の名前が嫌いで、人づきあいの苦手な男子、多聞くんは

無愛想で怖そうで少佐とあだ名される自分に

人懐っこく話しかけてくれて、多聞っていい名前だねって

言ってくれた宮古だけにわずかながら心開きますが、

宮古はきれいな物が大好きで、

校内美女ランク上位の女の子を多聞が振ったという事を知り、

美男美女カップルだったのにもったいないと

何故断ったのかとしつこく多聞に食い下がり、

怒らせてしまいます。

喧嘩しながら冬休みに突入かと思われた終業式の日、

部の活動で居残っていた宮古は、ついうっかりうたたねをして

最終便の船に乗り遅れ途方に暮れますが、

なぜだか校内には多聞も残っていて・・・。

って感じのお話。

後半には多聞を訪ねて学校に美女が潜入してきたり、

宮古のきれいもの好きのルーツが明かされたり、

戦時中の宝探しをしたりと

バラエティ豊かで結構面白かったです。

タイトルに惹かれて選んだ本ですが

なかなか良かったv



伯爵と妖精 情熱の花は秘せない

谷瑞恵  コバルト文庫


エドガーorプリンスの組織に囚われたリディアは

エドガーの子を妊娠していると嘘をつき身の安全を確保しますが。

プリンスに支配されていると装っているため、

リディアを必要以上にかばう事が出来ず苦悩するエドガー。

しかもときどき巻き起こる破壊衝動に

リディアを殺してしまうかもという恐怖を覚え・・・。


いよいよ佳境なのかな?

二人は無事妖精国にたどりつけるのか。

プリンスを葬る事ができるのか。

こんなに長続きするシリーズだとは

アニメを見ていた時は思わなかったよ。

でも、面白いからいいや。



死神姫の再婚 私のかわいい王子様(4)

死神姫の再婚 微笑みと赦しの聖者(5)

小野上明夜  ビーズログ文庫


小西さんのドラマCDから読み始めたシリーズですが

娘も私もお気に入り。


だんだん夫婦仲が深まって行くんですけど、

想いあうほど、

カシュヴァーンは手放す事が出来なくなる事を恐れ、

アリシアに触れる事をためらうようになります。

アリシアの方はカシュヴァーンに頭を撫でられたり

抱き締められたりすると、お腹が痛くなったり(正確には胸がドキドキ)

カシュヴァーンが他の女性といるところを見て嫉妬を覚えたりと

初めての感覚に戸惑うばかりで・・・。

なかなか本当の初夜は難しそうです。


地方伯以外の領主を認めない教団や

王家の横やりで、

正しい血筋でない領主のカシュヴァーンや

伯爵の血筋でありながら

カシュヴァーンに保護されているアリシアや

ティルナードの領地に不穏な動きが。

挙句、ティル、アリシア、

カシュヴァーンの領地の正当な地方伯・ディネロまで

教団に囚われてしまい、

ティルは拷問に近い再教育を、

アリシアはディネロとの結婚を強いられて。


このシリーズもどんどん面白くなっていきます。

ディネロはおっとりしていて、本当に家柄も人柄もいい人。

カシュヴァーンの事も認めていて、

争いの元にならないよう自分で血筋を絶やそうとまで

考えている人ですが、

アリシアの事は気に入っていて、もし自分が領主だったら

アリシアと結婚していたのは自分だったかも、と

苦しみます。

娘はこのディネロ様がお気に入り。


冷徹そうで意外に面倒見のよいカシュヴァーンは

自分を裏切って刺した幼馴染のトレース、

アリシアの前の婚約者を殺した暗殺者のルアーク、

ルアークに暗殺を命じたティルナード、

教団にアリシアを攫ったリュクなど

自分を殺そうとしながらも改心した人たちを

結局、懐に入れちゃいます。

こういうとこが領主として認められてるとこなんだろうなあ。


いいです、このシリーズvv