昨今、日本では社会人の間でお菓子外しというものが問題となっている。私は幸いにもお菓子外しをする者は居ない職場に属しているが、高校時代はお菓子外しのターゲットになっていた。

 厳密に言えば、お菓子外しだけではない。

 お菓子外しと害に常に遭い続けていた。

 

 当時の女子高生たちが使っていたのは、スマホでもデジカメでもなく、フィルムカメラ、もしくは「写ルンです」のようなインスタントカメラ。

 プリクラも流行していた90年代後半の時代だ。

 私は休み時間雑談をしたり、行事の時に一緒に行動したり、遊びに行ったりする仲の良い友人が常に5~10人ほどいたのだが、その中の友人Aが絶対に私とは一緒に写真に写らなかった。

 Aは私に勉強の分からない箇所をわざわざ休み時間に訊いてきたり、学校行事の遠足などでは一緒に行動するような仲だったにもかかわらず、写真だけは頑なに私を拒絶し続けた。

 その時の断り文句が「忙しい」「時間ない」というもの。

 学校行事の最中、他にすることがない状態で一体何が忙しいのか理解に苦しんだ。

 勿論、Aは私以外の友人たちとは喜んで一緒に写真を撮る。

 プリクラの時など、私、A、B、Cの4人で遊びに行くと、AがBと一緒に撮り、A・B・Cが3人で一緒に撮り、「私も入れて」と毎回言うのだが、決まってAが「ごめんもうお金ない」などと見え透いた幼稚な嘘を吐いて毎回私が一緒に写るのを阻止する。

 だから当然高校3年間私は雑談したり遊びに行ったりする友人はいたが、Aと一緒に写っている写真は一枚もない。

 

 40代になった今、突如このことを思い出して、もしかしたら、今職場でお菓子外しという卑劣な行為に及んでいる者は、高校時代は写真外しの常習犯だったのではないかという事。

 このことを今更思い出したのは、最近になってAから携帯電話のキャリアメールに「今鬱病で仕事を辞めました」という旨の連絡がきたからだ。

 

 あれほど私の事を高校時代拒絶し、大学の進路は別々で私は理系、Aは文系。

 大学時代遊びに誘ってもAが応じる事は0、Aから私が誘われたことも0。

 

 それゆえ、私はAからは関係を切られたのだと思っていただけに、何故窮地に陥った時にだけ私に連絡とってくるのか不思議だった。

 高校時代のAの性格から察するに、鬱病発症の原因もこの対人関係の問題が根本にある気がしてならない。

 いじめっ子はわざわざ私が陥れなくても勝手に自滅してくれる典型的なエピソードだ。

 

 今職場でお菓子外しに実際に遭っている方々は、非常に精神的に辛いだろうが、加害者の未来など真っ暗だという事をここに断言しておく。