X線写真は、普通の写真と似て非なるもの?
放射線技師がエックス線写真を撮るのと、あなたがカメラで風景写真やポートレートを撮るのとでは、同じ「写真」という言葉を当てますが、仕組みは全く違います。
どこが違うのでしょう?
まず普通のカメラで撮る場合、それは自然光や照明などの光が、被写体に反射しているのを、レンズで集めて像を結ぶ。目と同じ仕組みです。表面しか見えません。
しかしX線は、身体の中を通り抜け、身体の反対側に達してそこで像を結びます。その通過のしやすさは、組織の密度に反比例します。X線写真では、その突き抜け具合をグレースケールのコントラストに置き換えて、一枚のモノクロ画像ができるのです。
一般に、肺や腸管など空気があるところだと、X線は、ほぼ素通りし、感光板をまっ黒くします。しかし、肺に腫瘍や炎症があると、そこでX線が遮られ(吸収され、とも言います)、白い「影」となるわけです。(白黒はモニター上で反対にすることもできますが、その場合肺は白く明るく、腫瘍は黒い影となって見えます。)
X線写真では、その突き抜け具合で微妙な診断をします。最もX線が通り抜けるのは空気、次いで脂肪、そして筋肉や臓器などの「水濃度の場所」です。最もX線を遮るのは、体内の金属やカルシウム沈着(骨や石灰化)です。
殊にX線を強く遮るのが、体外の金属。(ポケットの携帯とか、財布や鍵)現代人はおしゃれですから、検査前のボディチェックは大変です。
万物の外側を記録するのが光学系カメラ。
内側を映し出すのが、X線撮影装置です。一口に写真と呼ぶべきか疑問ですが、どちらも「真実を写し出す」のですからこれで正しいのだと考えています(じゃあ超音波やMRI はどうなの?と思ったあなた。いずれまたここに書きますので、お待ちください(^^)
診療放射線技師さん達は、患者さんの体格と主訴などから、瞬時に撮像条件とレイアウトを決めて、『綺麗な』画像に落とし込んでくれます。私たち画像診断医は無心にそれを眺め、その写真の向こうに佇む患者さんと対峙するのです。
