FOMC後の相場をどう読むか――原油・円・米国テック、私が見ているもの
ロシャクです。トレードを始めて、今年で11年になります。本日からこちらで、自分なりの相場観やトレードの考え方を発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします。
私の主戦場は米国株です。テクノロジーには長期で強気。これは今四半期だけのテーマではなく、私の信念に近いものです。
為替もゴールドも原油も、まずは市場がリスク選好に傾いているのか、それともリスク回避なのかを見ます。そのうえで金利と地政学を確認する。普段から重視しているのは、米国の主要人物が何を語り、その言葉に実際の値動きが付いてきたか、という点です。
今回のFOMC後も、見ている順番は変わりません。金利の反応を確かめ、原油の動きを追い、ドルと株式が何を織り込んでいるのかを考える。 今日は、その視点から相場を整理します。
利上げそのものより、新議長の言葉が気になった
16日のFOMCでは、政策金利が0.25ポイント引き上げられ、3.75~4.00%となりました。決定は全会一致。ここまでは、ほぼ事前の想定どおりです。
私が気になったのは、ケビン・ウォーシュ議長の言い回しでした。金融環境は十分に引き締まっているとは言い難く、緩和をもう一段取り除く必要がある――そうした趣旨の説明を、市場は「まだ緩い。まだ引き締める余地がある」と受け取ったように見えます。
短期の米国債利回りが先に上昇し、ダウ平均は約1.2%安、S&P500は約0.4%安。一方、ナスダックはほぼ横ばいでした。全面的な投げ売りというより、新議長の言葉を受けて、金利と株式の評価が修正された局面だったと捉えています。
私の見立ては、米国債利回りはしばらく簡単には下がらない、というものです。
トランプ大統領は金利を1%以下へ早急に引き下げるよう求めています。しかし、自ら指名した議長であっても、金融政策まで思いどおりになるわけではありません。
選挙が近づくほど、大統領の発言には米国経済や株価への期待をつなぎ留める意図が強まるでしょう。ただ、中央銀行の判断軸は別のところにあります。この2日間、ドルと短期金利が付いていったのは、私にはウォーシュ議長の方に見えました。
原油は、ドルとゴールドを読むための「錨」
私にとって原油は、ドルとゴールドの動きを読むための錨です。
原油が上がれば、まず米国債利回りを見る。次にドル指数で確認する。金と円については、リスク回避の資金が、それぞれ別の理由で動いていないかを確かめます。
金と円の動きが食い違う場合、今の私は金の動きを重視します。円は対ドルの金利差や政策への思惑に大きく左右されており、単独の避難先としては見ていないからです。
中東情勢への警戒は消えていません。それでも、サウジアラビアによるオマーン経由の追加供給やリビアの供給回復といった話が出ると、原油は100ドル超へ向かう勢いを失いました。WTIは96~102ドル付近を行き来しています。
原油という錨が緩めば、ドルを「戦争プレミアムが続く」という前提だけで買い続ける理由も弱くなります。
金がFOMC後の安値から持ち直し、4,300ドル台を回復して1トロイオンス当たり4,310ドル近辺へ戻した動きも、私はこの流れの中で見ています。
金利上昇に押された金が、原油の上昇一服とともに持ち直した。 もちろん原油だけで説明できるわけではありませんが、私が注目しているのは、この値動きの順番です。
ドル円は、金利差だけでは判断できない
ドル円は156円前後。東京市場では155.72~156.32円で推移し、156円を下回る場面もありました。
金利差だけなら、ドルの強さを説明しやすい相場です。それでも、今ここで積極的に円を売る気にはなれません。スコット・ベッセント米財務長官による牽制があるからです。
自分はハウス側におり、市場参加者とは異なる情報を持っている――私には、そうした趣旨の発言に聞こえました。7月末には実際に円買いの動きもありました。
この状況での円売りは、金利差だけを相手にする取引ではありません。政策当局の意図と、その行動に向き合う取引でもあります。
金曜日の日銀会合と植田総裁の会見は、いわば日本側の手番です。0.25ポイントの利上げで政策金利を1.25%とする観測は強まっていますが、仮に予想どおりの結果でも、その後の説明次第で相場の受け止め方は変わります。
「材料が出尽くしたから円を売ってよい」とは、私はまだ考えていません。
それでも、米国テックには長期で強気
米国のテクノロジー株を長期で強気に見る理由は、目先の金利だけではありません。
14日、トランプ氏はジェンスン・フアン氏と電話で言葉を交わし、AIやデータセンターの重要性を強調しました。AIやロボットへの不安よりも、開発を進めることに重きを置く姿勢です。私には「減速するな、アクセルを踏め」というメッセージに見えました。
世界のどこかが米国の失速を待っていたとしても、私は、米国がテクノロジーへの投資を続ける方に賭けています。
だから、原油と金利の影響でダウ平均が崩れても、ナスダックが相対的な強さを保っているなら、それだけで長期の見方が崩れたとは考えません。
高い調達コストは、確かにバリュエーションを圧迫します。一方で、米国がAI開発を止めたくないという政治的な意思もあります。
短期の株価には金利が重荷になる。それでも、長期の成長期待まで同時に失われたわけではない。 この二つは分けて考えたいところです。
今日、確認しておきたい価格水準
最後に、私が今日の相場を見るうえで意識している水準をまとめます。いずれも売買の指示ではなく、値動きを確認するための目盛りです。
ドル円|155.70円/156.60~156.65円
下は155.70円、上は156.60~156.65円を意識します。価格だけでなく、その水準で当局発言にどう反応するかも見ておきたいところです。
S&P500|7,580~7,600ポイント
16日終値は約7,552ポイント。戻す場合は7,580~7,600ポイントを確認します。ただし、ダウ平均が付いてこなければ、幅広いリスク選好の回復とは判断しません。
ゴールド|4,300ドル
4,300ドルを軸に、反発が続くかを確認します。米国債利回りとドルが再び上昇したときに、どこまで底堅さを保てるかが焦点です。
WTI原油|97ドル前後/104~105ドル
目先は97ドル前後。供給不安が再燃した場合は、104~105ドルを意識します。原油の動きが金利とドルへ波及するかも、併せて見ていきます。
今回の相場観を短くまとめるなら、利上げ自体は想定内。気になるのは新議長の言葉であり、原油がその後の流れを左右する。そして円は政策当局の動向を無視できず、米国テックへの長期的な見方は変わっていない、ということです。
これからも、**「誰が何を言ったか」と「相場が実際にどう動いたか」**を突き合わせながら、自分の考えを書いていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※本記事は個人の見解であり、特定の金融商品や売買を推奨するものではありません。記載の価格・水準は執筆時点のものです。投資はご自身の判断と責任でお願いいたします。