アメフト振興を目指して ~オービック・シーガルズ イヤーDVD2013を見て。編~ | アメフト交差点

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今日から新しいテーマとして『☆日本のアメフト振興を目指して』というタイトルを使っていきます。
このテーマではいかにして日本のアメフトの人気を高めていくか、ということを中心にそのためにはどのようなことをすればいいのか?という具体的な提案や考察、こういう取り組みって日本のアメフト界としても学んでいくべきじゃないのか?という意見など、主体的に考えていくことを意識しながら書いていきたいと思っています。

また、選手や関係者に対してだけではなく、ファンの我々に出来る事もいろいろ考察していきたいと思います。

まあ堅苦しいだけじゃなく楽しみながら書いていこうと思います(笑)


今日はですね、

オービック・シーガルズの2013年シーズンを記録したDVD、
イヤーDVD2013  ~PROFESSIONAL~


を購入し、見てみたのでその感想を書きたいと思います。

メインは感想になりますが、オービック・シーガルズというチームは日本のアメフト全体の人気の向上という観点からも多くの取り組みをしているので、その辺も踏まえながら。



そのうえで先に断わっておきたいのですが、僕はシーガルズの熱烈なファン!!
…というわけではありません。(笑)

基本的にはフットボールの面白さにとりつかれた人間なんで、特定のチームの応援にとらわれず、面白い試合をしてくれればそれが一番、というタイプの人間ですww
そういった意味ではExcitingなゲームを見せてくれるシーガルズは好きだし選手たちも魅力的に思いますが、ガチガチにシーガルズしか応援しない!というほどのファンではありません。
(どちらかというと地元大阪のパナソニック・インパルスとかのほうに肩入れすることがどうしても多くなりますwww)

でもこのDVDからは何か学ぶものがあるんじゃないか、シーガルズというチームの強さの理由がまた奥深く分かるんじゃないか、と思って購入しました。
実際意義のあるものでしたので、
シーガルズ以外の選手(社会人以外の、学生の方々等も含め)・関係者・ファンの方々にも読んで頂きたいです。(NFLファンの方も含めて)
そして是非購入して見てみて欲しいとも思います。


アメフト◆2014オービックシーガルズ「イヤーDVD2013」 PV





まずこのDVDに何が収録されているのかというと、
2013年シーズンの春の試合と秋の試合、そのすべてのダイジェスト映像
+大橋ヘッドコーチや選手たちの声とともに、普段は見れない試合に対する取り組み(ミーティングなど)などが入った映像
+特典映像としてチームのターニングポイントとなった試合の感想や、フットボールに対するそれぞれの選手たちの意識が分かるコメントなどが収録されています。
詳細情報が載ってるシーガルズ公式HP
も参考にして頂けたらなと思います)


①ダイジェスト映像

シーガルズは試合後すぐYouTubeにダイジェスト映像をUPしてくれるので今一度見てもそんなに刺激はないかな~
って思ってたのですが、いやいややっぱりこうやってまとめてみてみるとすごいインパクトがあります(笑)
一つ一つのプレーにたいするこだわりとか微細なものも見える一方で全試合を通して高い意識をもってプレーしているんだろうなっていうのが改めて分かりました。
でないとあそこまでゲームプランを遂行できないだろうなと。

まあそこまで意識して見なくても、ただ単に眺めているだけでも派手なプレーがいっぱい飛び出すので楽しいです(笑)
やはり日本一のチームなのでそれぞれの選手がスター選手ですからね、いろんな選手の活躍が見れるのも楽しいです。


②敗北から学ぶ/シーガルズから学ぶ

あとこうやってまとめて見ることで、
春に負けた富士通戦の重みというのが伝わってきました。

シーガルズは昨年の春に富士通フロンティアーズに敗れるまで
3年間負けなし、国内公式戦連勝記録を「37」まで伸ばしていました。
それが途切れたこの試合、シーガルズのコーチや選手たちは僕たちが外から見てるよりもはるかにその敗戦の重みを感じていたようなのです。
正直僕としても「オービック負けたのか!!富士通頑張ったなぁ。でも秋のほうが本番やしミス減らすくらいでまた強さ戻るやろう」くらいの感覚でしかなかったのですが、もしシーガルズの選手たちが僕みたいな感覚を抱いていたら国内4連覇は無かったと思います(笑)

敗戦したことで多くの課題が見つかって、
より一人一人がフットボールを知らないといけない、見直さないといけない、そしてチーム全体として成長するためにお互いにコミュニケーションを取り直さないといけない、ポジションの垣根を越えて協力しないといけない

そういう部分で大きな収穫になっていったようです。
(このあたりは特典映像:「シーズンを振り返るインタビュー」でも多く語られていました)

正直驚きました。
負けたとはいえシーガルズは強いんだから戦術とか遂行とかの面、言うならば『機械的な』面で細かい修正をすれば秋また勝てるんだと思っていましたが、甘かったです。
それよりもむしろコミュニケーションや一人一人のアメフトに対しての意識という『メンタル的な』要素での修正や成長。
日本一のチームだからこのままうまいことやって勝てばいいや、ではなく

今年日本一のチームになるにはどうすればいいか?
突き詰めて考えたところ自分はフットボールをどう考えていくか?


という、より深い部分での意識の高さ。


これは素晴らしいです。
どうしても強くなってしまうと失われてしまいそうなハングリー精神のようなものを常に無くさず持っている。
もちろんそれができるからこそシーガルズは強いんだろうな、と頭では分かっていてもなかなか実感としては伝わってきにくい中で(特にシーガルズファンでもない「外野」の立場としては伝わりにくい中で)
このDVDを見ることでだいぶその選手たちの熱さ、コーチの熱さなどが実感として伴ってきた感じがします。

このあたりは、是非他のチームの選手や関係者・ファンの方にも見て実感して頂きたいところです。

日本一の連覇を経験してるアメフトチームがここまで考え続けて高い意識を持ち続けているということがひしひしと伝わってくると、やはりやる気が出るでしょうし逆にここまで意識の高いチームに負けないためには自分たちはどういう意識でアメフトに取り組んでいくべきか、あるいは応援していくべきか、鼓舞していくべきか、すごい刺激になることだと思うんです。

特に学生チームの選手たちが見れば、フットボールに取り組む中で何か手がかりにもなるようなものもあるのではないかと思います。
「人を育てる」という部分も強いアメフトという競技だからこそ、こういった強豪チームの取り組みには学ぶところが多いと思いますね。

もちろん社会人のトップレベルのチームであればシーガルズに負けないくらいの意識の高さを持っている(と願っています)ので、見る必要性はないかもしれませんが、
こいつらもすごい意識高いやないかと。こいつらを倒すんやと。
そういう意味でメンタルを高めるためにDVDを見るのも効果あるんじゃないかなと思います。(笑)


③ホームゲーム開催!アメフトを知ってもらうきっかけに

このDVDの中では、昨年の秋シーズンの対IBM戦をシーガルズのホームゲームとして習志野市の「
秋津サッカー場」で行われたときのファンやイベントの様子も収録されています。
それを見て、やはり地元に根付いた活動をして、連携してアメフトも町も盛り上げていこうじゃないかという取り組みの面白さを感じました。

そもそも本場アメリカにおいてアメフトチームというのは町のシンボルそのものであり、誇りのようなもの。
この辺に関してはNFLのファンとしても実感するところで。
シーガルズはそれに習った部分もあり、そして独自の取り組みを様々工夫をこらしつつ、特にクラブチームになってからはより千葉県習志野市との繋がりを深めて、「ホームタウン活動」を盛んに行ってきました。
シーガルズ公式HP 「ホームタウン活動」 もご参考下さい!)

NFLで唯一の市民球団である、グリーンベイ・パッカーズを訪問して地域との連携についてより深く学んだり、考えたりもしていて、このあたりは普段目立つことは無いですが並河GMをはじめチーム関係者、上層部の方々の素晴らしい努力とアイデアの賜物でしょう。

きっと障壁も多いことだと思いますが、妥協することなく取り組んだことで今の多くのファンとともに成長しているシーガルズがあるのだと思います。
(古庄キャプテンは応援して下さる皆さんのことを「ファミリー」と呼んでいました!)

このあたりの取り組みは他のチームも見習って、模倣していくべき部分も多々あると思います。
もちろん他のチームだって地域と連携した取り組みは行っていますが(相模原ライズなんかは特に頑張ってます)、どうしてもお金の面で仕方ないとか、ややこしいから仕方ないとか、妥協してしまっている部分はあると思うんです。
実はもっとできることがあるかもしれないけれどここまでやったらいいだろうっていうあきらめに似た意識とかもあると思うんです。

そこをなんとか、こういう活動だったらお金いらないなとか、こういう部分で市とか町とか商店街とは連携できないだろうか、とか発想の転換とかも織り交ぜつつなんとか形にしていける部分を増やしてほしい
そういう活動を関係する皆さんが行って下さることで、よりアメフトというものが受け入れられやすいスポーツになるのではないかと思います。
もちろん僕たちコアなファンにも何かできることがあれば協力したいと思います。


あとはファンにいかに楽しんでもらえるかという意識。
このあたりもシーガルズはすごいです。
どのチームも真っ先にココは意識して取り組んでいくべきことでしょう。
これに関して詳しくは 

日経ビジネスONLINE オービックシーガルズの最強チームの作り方
 お客さまは大事なチームの一員です
~「観戦」ではなく「参戦」してもらうにはどうするか~

に書かれているので、そちらを見て頂きたいです。
※日経ビジネスONLINEの会員登録をする必要がありますが、
無料なので是非ご登録して読んでください(笑)


そして、そのうえでのホームゲーム開催ですね。
昨年はシーガルズとノジマ相模原ライズが行いました。
やはりこういった「ホームタウン活動」の一環としてゲームを行うことで初めてアメフトを観る!とか、アメフトってなに?っていう人とかいろんな方に会場へ足を運んでもらえるきっかけになるんですね。
そういったところでアメフトを知ってもらえると。
しかもただ単に試合をやるだけではなくて会場内での応援を中心に様々なイベントを行うことで、ポジティブな印象を皆さんに抱いて帰ってもらえると。
やっぱり楽しんでもらうことが一番大事ですからね!
こういったところから、アメフトというものと接する機会が増えていってだんだんだんだん引き込まれていく、そういう方々が増えていくことに期待が出来ます。
(昨年のホームゲームでの
シーガルズのスタンドレポ  と  ライズのゲームレポート

なかなかホームゲーム開催というのは試合会場の問題もありますし難しいとは思うのですが、「ホームタウン活動」と織り交ぜて実施することで子供から大人まで多くの方に足を運んでもらいやすくなるので、取り組んでもらいたい企画の一つです。


強いからファンが沢山いる、そういう側面ももちろんあるでしょうが

ファンが沢山いるからこそ強い

これも大変大きな要因となっていると思うんです。
そうすることで選手たちもよりいい試合をしたい、高いレベルのフットボールを見せたいと思うようになって集中力も高まると思いますし、ファンとしても娯楽としても楽しめるモノになると思うので、そのあたりの相乗効果をいかにして確立していくか、各チームに問われている部分ではないかと思います。
家族や同僚など、身内だけが応援に来る社会人リーグから脱却
することを目指して、身内とともに多くの暖かいファンとともにチームを作っていって欲しいなと思います。



という風に、このDVDは非常に興味深く面白いものであるだけではなく、オービック・シーガルズというチームを知った上でこのDVDを見ることで日本のアメフト全体としてもすごく意義のあることを学べるものになっていたように思います(・∀・)!!
もちろんロングパスやロングゲイン、インターセプトやハードタックル中心派手なプレーの多い試合のダイジェスト映像見るだけでも何度でも楽しめますwwww

エンドロールには多くの団体や個人の方の協力があったことが記されていて、シーガルズが幅広くいろんな方と連携してきたことも改めてよく分かりましたし、その面でも強さの理由の一つが分かった気がします。


各チーム、そしてそれぞれのチームでは限界があるのでXリーグ全体として、シーガルズの活動から学び、協力し、時には切磋琢磨してチームとして成長していって欲しいなと思った限りです。

何より、いろいろ見たり書いたりしている内に暖かい応援をなさることで選手と共に優勝をともに目指せるシーガルズファミリーの習志野市民の皆さんが羨ましいと思った次第です。(笑)