~第68回甲子園ボウル~ 感想! | アメフト交差点

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さてさて、遅くなってしまいましたが甲子園ボウルの感想記事を書きたいと思います!
なかなか冬休みといえど、レポートを書いたり掃除をしたりしてると時間がたってしまうものですね(笑)
NFLも最終盤で盛り上がってますので、そちらのテレビ観戦で忙しいということもあるのですが。
NFLのほうはプレーオフ開始前に可能ならば記事をあげたいと思っていますが、ちょっと厳しいと思うので皆さん試合のほうをじっくり見て下さいwww
かなり負けられない試合ばかりになってきてるので面白いですよー!

今日は、プレーに様々な工夫が見られて非常に楽しめた「第68回甲子園ボウル
関西学院大学ファイターズ vs 日本大学フェニックス」の感想いきたいと思います!
ライスボウルの予習にもどうぞ!(笑)
(ライスボウルは前日にプレビューを挙げる予定です)

あ、その前に再放送予定とか試合のレポートなどのURL掲載しておくので、よければ参照して見て下さい!

≪再放送予定≫
【NHK-BS1】
12/29(日) 5:00~6:50

≪試合レポートなど関連URL≫
第68回甲子園ボウル公式HP・試合レポート
緻密な試合運びで関学が3年連続、史上最多26回目の学生王者に!」
http://www.koshienbowl.jp/2013/2013/12/26.html
「日大かく戦えり。~成長する次世代へ託す主将・岩井の想い。不死鳥復活のスタートとなる日。」
http://www.koshienbowl.jp/2013/2013/12/post-13.html


第67回ライスボウル公式HP・試合レポート
←見易くてオススメ!
関西学院大学が甲子園ボウル3連覇、第67回ライスボウルへ」
http://americanfootball.jp/ricebowl/news/koshienbowl_68

rtv公式HP・試合後のインタビュー
「関学ファイターズ 日大フェニックス 試合終了後インタビュー 第68回毎日甲子園ボウル」

http://rtv-live.org/archives/992/


ブログ「アメフト観戦女子」さん
「12/15 甲子園ボウル2013 日本大学×関西学院大学①(ま)」
←写真なども沢山載せられているので、オススメ!
http://ameblo.jp/amefoot-kansenjoshi/entry-11732394788.html

Youtube K.Gファイターズ公式チャンネルより試合ハイライト動画
http://www.youtube.com/watch?v=DZvVqR4Jqm4



≪感想スタート!≫

試合前場内ではスターティングメンバーの紹介がされるのですが、関西学院大学の副将・守備の中心選手#1、LB池田選手の紹介がありません。
主将&副将のコイントスや挨拶にも池田選手の姿はなく、場内でも「どないしたんや?」との声が。
試合がはじまって少しすると、松葉杖をついている池田選手がモニターでもうつしだされまして(場内でもちょいちょいNHKの映像がうつってます)これは驚きました。
池田選手といえば下級生の頃から関学の守備の要・ビックプレーメイカーですゆえ関学守備に対して不安が(>_<)
※池田選手はコンディション不良で(発熱があって)練習を休養、そのあと復帰した練習で左足を痛めたようです。ライスボウルの出場も微妙。
しかし、日大の最初の攻撃を関学
主将・DL(ディフェンスライン)#91池永選手がQB(クォーターバック)サックで仕留める!!この後も日大を進ませず、池田選手の不在を感じさせない守備の強さを見せました。

そして関学の1回目の攻撃。
OL(オフェンスライン)がしっかりと
QB#11斎藤選手に投げる時間を与えることで、斎藤選手がポンポンと正確なパスを決めていき、着実にゴール前へ!
しかし、ここから日大ディフェンス陣は「大きくて強い」体格のメンバーが多いという持ち味が発揮されます。
関学は4th downギャンブルを含め4回連続正面のランプレーで力勝負にでますが、日大の守備がグワッと押し寄せてきてRBを止めました( ; ゜Д゜)
さすがです。

でもここの攻撃はおそらく関学のベンチは先を見据えた考えで正面ラン×4回やったと思うんです。
変にランフェイクからのパスを使うのではなく、真正面勝負でどこまでやれるのか続けてみた。
もしランでタッチダウンを取れるなら、つまり力勝負でラインが勝てるならこの後シンプルに攻めてもいい、でもそれができないならいろいろ工夫が必要だということですね。
もしタッチダウンをとれなくても守備で止めれる自信があるので、ここは一つ「試してみた」のだと思います。

さて関学は4回目の攻撃が失敗したので、その位置から日大の攻撃となります。自陣、「エンドゾーンを背負って」の攻撃となりますけども、日大は果敢にパスも投げます。
(エンドゾーンで倒されてしまうと自殺点(セーフティ)となり、相手に2点が入る上次も相手の攻撃からになってしまいます)
非常に日大らしくてイイと思いましたが、惜しくもパス失敗というシーンがありました。

日大陣奥深くからのパント(攻撃権放棄のかわりにキックでの陣地挽回)であったため、日大としてはあまり陣地挽回できず次の関学攻撃もいい位置からはじまります。
2回目のドライブでも関学は正確なパスと
#28RB鷺野選手のランなどで進んでいき、今度はゴール前に近付くといろいろしかけていきます。
1年生QB#18の中根選手がQBに入ってキープでのランプレーをやったり、QB#7松岡選手がショベルパスをやったりと、斎藤選手以外のQBでゲインを試みます(先ほど申し上げた「工夫」が徐々に増えてきます)。
しかし、最後3rd downでの
斎藤選手のキープは日大の守備が粘って止めます。
ここでは関学もさすがに無理をせず、4回目の攻撃ではFG(キック)を選択。
これを決めて3点を先制。
いやぁ日大の大きな選手たちはゴール前ではとくに強さを発揮できますね、素晴らしいゴール前守備です。

(ここからは概略になります)
日大の攻撃はなかなか進めません。得意のタイミングパスもちょっとしたコントロールミスやキャッチミスが続きますし、ミドルのパスは関学の早いパスラッシュ&手堅いカバーで通せません。

一方の関学オフェンスはパントもありましたけれど守備が日大攻撃をしっかりとめてくれるので、いい位置から攻撃ができます。
腰から下へのブロックの反則で1st downまで長いヤードを残してしまったりもしたのですが、関学OLが頑張ってるゆえにいかんせん斎藤選手には投げる時間がしっかりとあるので、パスを通して着実にダウンを更新していきます。

エースWR(ワイドレシーバー)#9梅本選手との素晴らしいコンビネーションのパスもありましたし、#18中根選手のキープで一気に10ヤード稼いだシーンもありました。

そして最後は敵陣7ヤード地点からパスを通してタッチダウン。
いやぁこれがうまかった!

WR#15大園選手が前でマンツーマンカバーをしてきてるディフェンダーを引き連れて奥へ行くんですね。
そのあいたスペース内側へ
#88木戸選手が入り込むかと思いきや、一旦内に入るふりをするだけですぐ外側へ戻るんですね。
木戸選手をマンツーマンで見ていたディフェンダーは内側のほうへカバーへ行ってしまい、外側のリードボールをきっちりキャッチした木戸選手がそのままタッチダウン!
いやーこれは何度見ても完成度が高いプレーです(笑)
紙に書いて説明しようと思ったんですけど、わちゃわちゃしててたぶん見てもわかりにくいので、日曜のNHKの録画再放送を見て確認して見て下さい(笑)
なんかプレーの解説ができるアプリとかほしいですね、解説者さんが使ってる画面に書けるやつうらやましいww

とにかく関学らしいうまいプレーでした。
その後はパントのけりあいなどもありまして、第2Q残り7分20秒からの日大の攻撃。
日大はこのドライブ、得意のパス攻撃がなかなか通らないということで
RB#34高口選手のラン、QB#19高橋選手自らのランなどランプレー中心に組み立てます。
これが功を奏してみるみるゲインを重ねていきます。
このあたりで池田選手がいないのが響いてるかなという気がしました。
しかし関学もゴール前に攻め込まれたところでタイムアウトをとって守備の確認、その次のランを止めて、3rd downで短いタイミングパスを
主将DL池永選手がカット!
日大はFGで3点を積み重ねて1タッチダウン差にします。

この後は両チームに得点はなく前半終了。
前半はお互いに無理して点をとりにいくような、リスク覚悟のプレーはあまりありませんでした。

(以下さらに概略!)
後半も序盤はお互いにじっくりじっくり攻める感じでダウン更新には至らないことが多く、なかなか拮抗した展開。
その中でだんだん日大の守備が関学OLを押せるようになってきまして、斎藤選手がパスを投げる余裕がなくなってきました。
日大の1年生OLB(アウトサイドラインバッカ―)#41趙選手は相変わらずものすごいパスラッシュをかけますね!
関学OLがホールディングをしてまで止めようとしているのに押し切って斎藤選手があわやファンブルをしてしまうというようなシーンもあって、迫力満点でした。

しかしそんな中でも
斎藤選手は冷静に逃げ回ってパスを通して、タッチダウンにはいたらなくともFGで少しずつ点数を稼いでいきます。

一方の日大攻撃は、ランプレーも関学にアジャスト(対応)されて、でなくなってきます。
こうなるとパスもリズムがでない中なんでかなり手詰まりになってきました。
しかし!
第4Q一発目のプレー、起死回生のロングパスを高橋選手が投げる‼
しかも
WR#26岩松選手がフリー、獲ればそのままタッチダウン‼

…というシーンでしたが、なんとこれを
DB#14大森選手がスッとよってきてインターセプト‼
いやーなかなかありえないスピードできましたね。
しかもまさかあれをインターセプトしてしまうとは…!
リプレーを見てみますと、
大森選手は別の選手をマンツーマンでカバーしてたんですけれど、ずーっとその選手を見ることは無くQBの高橋選手を見てるんです。
QBの動きを見ていればどこに投げるかはだいたいわかるもので、それをしっかりと見ていた
大森選手はスーッとボールの軌道にあわせてボールのほうによっていきます。
そして、持ち前のキャッチ力でインターセプト。
このプレーは大きかったです。
関学は1試合に1回か2回このように後ろのカバーミスが起きてロングゲインを許すことがあるのですけれど、そのカバーミスを個人技で帳消しにしました。
素晴らしいとしか言いようがないです。
QBもWRも完璧なプレーをしているし、INT(インターセプト)した
大森選手もものすごいプレーをしているし、レベルの高い攻防でした。

ここで日大守備が粘ってFGでおさえるのですが、その後の日大の攻撃が続かなかったのが痛かったですねー。
関学のゾーンカバーはしかし浅いゾーンからミドルゾーンは毎プレー完成度が高いですね。
日大守備と比較してみると、関学はゾーンの受け渡しがうまくできているように思いました。
ゾーンカバーである以上どこかでゾーンの切れ目みたいなのがでてくるはずなんですけども、関学の守備の選手同士でしっかりコミュニケーションがとれてるからなのか相手のパスコースに対応してきっちり受け渡しができてますもんね。

そしてその後のドライブで関学がタッチダウンを決めたのが決定打となりました。
梅本選手がキャッチの後ロングゲインをしたんですけども、日大はカバーミスですかね、たぶんLB(ラインバッカ―)の選手がもう少し下がっていないといけなかったんですけれど、そこですれ違いになってしまいました。


日本大学は1年生2年生が多く、関学とは甲子園ボウルでのプレー経験も含め経験の差がある分攻撃面で落ち着いてやれなかったという印象があります。
タイミングパスが2、3本いい形で決まればリズムが出るんですけどもなかなか厳しかったですねー(>_<)
あとパスラッシュがあれだけきついんだから(NHK主音声・板井さんもおっしゃってましたが)もっとパスプロテクションに人数をまわして、QBを守るようにしたほうがよかったのではないかと思います。
ちょっと関学と比べると戦術面で準備不足な気もしました。
しかし、一年生
QB#19高橋選手はこの試合でもポケットワークが非常に良かったですし、自ら持って走った時も小刻みにステップを踏んで前に進んでいましたし、かなり非凡さを感じましたね。
ロングパスも普通であれば通ってタッチダウンでした。
あれは
大森選手を褒めるしかありません!
関学の守備も控えのメンバーではありましたけれど、ラストの攻撃でちゃんとタッチダウンを取れたことには意味があると思います。
エースWRの#22松尾選手がとってくれたことも感慨深さがありますね。
まだこれから3年先までは
高橋選手率いる攻撃になるでしょうから、来季以降楽しみです!

守備陣では
趙選手中心にやはりパスラッシュが後半効いてきましたね。
大型のラインの選手たちもゴール前では強かったですし、
#4下水流選手の素晴らしいパスカットもありましたし、#47LB佐藤礼一選手もいい動きをしていましたし、試合を通して守備は十分な働きだったと思います。
下級生にタレントぞろいの日大、今年は3回生4回生が彼らを活かせるような環境を作っていいチームになったと思います。
経験を積んだ下級生たちのこの先のチーム作りが楽しみ!


そして、関西学院ですけどもやはり
斎藤選手は冷静かつかなり正確なパス攻撃ができるようになりましたね。
昨年の悔しさをしっかりと晴らして、今年は自らが最後まで率いて勝利。
甲子園ボウルMVPをとったことでまたさらに自信がついたと思います。
(昨年はエースQB畑選手が足を痛めていて急きょ斎藤選手が先発、いいパスも何本かあったものの攻撃力不足で相手にリードを許してしまっていました。終盤で畑選手が怪我をおして出場、逆転勝利に導きました。)
前年度まで畑選手ほどの脚力はありませんが、サイドライン際のパスやピンポイントでレシーバーが取りやすい位置に投げるパスは畑選手と同等かそれ以上のものがあり、すさまじい成長を見せています。
バックス陣はとびぬけて破壊力のある選手はいないけれど、全員が安定した働きをできるので見ていて安心感がありますね。
誰か一人が止められたらダメ、じゃなくてバランスよく散りばめていく。
フットボールの醍醐味を感じさせてくれる攻撃です。

守備陣は
池田選手がいなくても堅守でした。
一時ランが出た時は厳しいかな、と思ったのですがしっかりとアジャストしてランも止めましたね。
チームのスローガン「All for ONE」が体現されたような全員守備で、池田選手の不在を皆でカバーする粘り強さを見せました。
あと池永選手を見ているとプレーでチームを引っ張る主将なんだということをあらためて認識させられましたね。
DLのお手本のようなプレーばかりでした。

そういえば、怪我で出れなかった#1池田選手は開幕前の「月刊Touchdown」のインタビューで、
おととしはスペシャルチームで勝った年(キッカー/パンターの大西志宜選手(現・西宮ブルーインズ)が大活躍)
去年はオフェンスで勝った年
(RB望月選手(現・オービックシーガルズ)、QB畑選手(現・関学アシスタントコーチ)が大活躍)
今年は守備で勝った年と言われたい、と言っておられました。
ご自身は出れなくて悔しい思いをしたでしょうが、「
雄紀(池田選手)のためにも勝つ」との主将・池永選手の言葉通り、池田選手のぶんも戦って見事に守備で勝った年といってもいいほどの試合になりました。

最後ライスボウルは今まで以上の総力戦になりますが、このチームなら今年も期待を持てますね。
どんなプレーをしてくれるのか、1週間後が楽しみです!