いまでも、中学時代からのオーディオ熱が下がりきらず・・・

当時、オーディオ雑誌で紹介されていた

オーディオ・マニアの先輩方の記事をよく思い出します。

STEREOやSTEREO SOUND、無線と実験やレコード芸術は本屋で立ち読みし

(中学生が定期購読できる値段ではないのです)

FMレコパルとFMファン、週間FMといった隔週刊の雑誌を

同好の士である同級生たちと回し読みしたものでした。

 

 

 

 

 

 

長岡鉄男さんとか、菅野沖彦さん等の名うてのオーディオ評論家の方々の評や

著名人でオーディオ・マニアの方のお宅。。。というか

リスニングルーム拝見といった記事に目を輝かせ、

垂涎のオーディオライフに胸をときめかせては

できる限りの音磨きに励んだものでした。

そんな文化の薫り高きオーディオマニアの諸先輩が聴くのは

クラシック(オペラ含む)やジャズや大人なボーカルもので

今も時折懐かしく思い出して聴くのですが

そのほとんどが”先達の聴く音楽を聴いてみんとて聴くなり”という

受け売り状態のものばかりです。

 

雑誌で”カラヤン”と”バーンスタイン”という両巨匠に認められた

小澤征爾さん情報を目にすれば、とりあえず”しばらく”はクラシック音楽にも

興味を持つという節操のなさ・・・

 

     

 

 

     

 

マニアならこういう音楽を聴かねばならんのだと、

背伸びをしているわけですから、飽きそうになる自分を戒めつつ

懸命に聴いていたので・・・もっぱら音源はFM放送。

当時はNHK-FMかFM東京しか選択肢はありませんでした。

聴き終わるとすぐにYESに逃げこむという・・・

 

中学生の手探りの求道者かぶれぶりは

今考えると滑稽でありつつも懐かしく思えるのであります。

 

 

 

当時の我がリスニングリームは6畳の和室。

オーディオ雑誌を参考にして押入れを改造しました。

真ん中の仕切り棚を打ち壊したら、

工事現場のおっちゃんに頼み込んで譲ってもらった

約60cm×45cm(厚さはたぶん3cmくらいだったような・・)の

コンクリート板を大汗をかきながら運び込みます。

その上に、学校のテニス部の友人から駄目になったボールを六つ調達し

それぞれをキッチン用スポンジに接着して自作インシュレーターを均等に配置。

ベニヤ板を一枚乗せて完成。

スピーカーからの音の干渉を防ぐ目論見であります。

あっという間に空気が抜けてしまったように記憶しています。

スピーカースタンド用にレンガやコンクリートブロックを持ち込んで

スピーカー台にしました。

残響時間が問題だと記事を読めば、畳の上に敷いたカーペットをはがし、

間仕切りの襖には工事現場からもらってきた端切れのベニヤ板を

まばらに打ちつける。

それもただペッタリと貼り付けるのではなく

木切れをかませて波型を意識するという

起こるはずもないフラッターエコー対策なわけで・・・

そんなことばかりに夢中で勉強を忘れ・・・親父のゲンコが。。

しかし堅忍不抜、不惜身命の精神でオーディオ道に

邁進したのであります。

 

 

 

 

さしあたって、手持ちのオーディオ機器は

いわゆるセパレート型ステレオで、

親父からの入学祝だったもんでコンポが欲しいとも言えず・・・

そうなるとまずやって見たくなるのはセンターコンソールの

レコードプレーヤー、カセットデッキ、アンプ(レシーバー)部分の

切り離しと独立化。

プレーヤー部は割と簡単だったのですが、そこまでで断念。

木工部分をうまく始末をつけることができず仕舞い。

技術と知識と根性が足らなかった・・・

大人になるのを待つほか無し・・・

結局もとに戻してセンターコンソール部分を

改造した押入れにセットした自作テニスボールインシュレーターに乗せる。

果たして意味があったのか?

とにかく、やるだけのことはやったという達成感はありました。

 

 

 

 

次にはスピーカーコードを延長して、理想的リスニングポジション探し。

スピーカーを6畳間の短辺の両隅に壁からそれぞれ30cm離して設置。

もちろん、空き地や工事現場から拾い集めた

レンガだったり、コンクリートブロックをスピーカースタンドにする。

サランネットは取り外せないので

見えないスピーカーユニットの位置をほぼ真ん中と想定し

左右のスピーカーの中心を結んだ一辺を正三角形の底辺とし

その中点から部屋の反対側の短辺に向かって垂直に伸ばした頂点あたりを

リスニングポジションとするわけです。

確かに、それまで3点セットを並べていたときより

ステレオ感が出た!と感動したものです。

 

 

 

 

マリア・カラスとミル・マスカラスと共通するのは

”マ~カラス”という名前の一部くらいなのであって

全く非なるものであって・・・

 

でも、秋葉原の電気屋の上の階のほうににある

ハイエンド・オーディオが並んだ視聴室あたりでかかるのは

大抵、ジャズかクラシックかオペラなのであって

せいぜい、くだけてもブロードウェー・ミュージカルの

ライザ・ミネリあたり。

ロック好きの中学生の出る幕はなく、仕方なく

大人の聴く音楽で音を聴くわけなのでした。

そんな経験が今の悪食とも言えるジャンル無用の”何でもリスナー”の

原点なのであります。

 

今日のところははこの辺で。。。