Book - 神様のカルテ0 - | Hot!More!Disney

こんばんは!

本日は本のご紹介です!

 

 

 

 

 夏目漱石を愛読書としている栗原一止という医者と医療の現場と人の物語である「神様のカルテ」の第四弾。ただし内容は3からの続きではなく、過去の物語を様々な視点から描いた短編集となっている。

 

 そして、これが感動必至なのである。

 

 4編に別れており、全てにおいて主人公が変わり、また一止の語りではなく、三人称の形で話が進んでいくが、神様のカルテの良さは失われていないように思う。それどころか「神様のカルテ」を読んでいない人であっても「神様のカルテ」を露程も知らない人でも、十分に楽しむことが出来る作品として出来上がっている。

 

 個人的には「神様のカルテ」という短編が非常に意義のあるものであるように感じた。「神様のカルテ」というタイトルの意味を垣間見ることが出来る話でもある。

 

 この「神様のカルテ」がどういう意味で使われているかは本編に預けておく方が正しいので、明らかにはしないが「医師という存在」に言及している点は非常に興味深い。そして「神様のカルテ」という言葉の意味に触れた時、きっとそれは琴線に触れることになると思う。少なくともわたしは触れた。

 

 医者というものは、どう足掻いてもただの「人」である。「人」でしかない。けれど「人」だからこそ「人」を診ることが出来、触れることが出来るのではないだろうか。

 

 さて、驚きなのが、わたしがこの4編を通して、一つとして飽きたものがなかった。それどころか、身体が「神様のカルテを早く読ませろ!」とせがんで来て、読む手が止まらず、他にやりたいことが一瞬、脳裏に過りながらも、やはり読んでしまった。

 

 どれ一つとして無駄な短編がない。

 

これは「神様のカルテ」を読む上で必要だから、というのはもちろんあるのだが、それ以上に、その一編一編に込められた言葉たちが、心の中に入り込んでくるからだ。それもずかずかと入り込んでくるというよりかは、丁寧にお辞儀をした上で、正座をして、真っ直ぐと目を見つめてくるのだから厄介なことこの上ない。

 

 そして、作中のキャラクターが魅力的過ぎるせいで、これにますます拍車がかかっているのだから、なおのこと迷惑である。

 

 やや作中のキャラクターたちが「いい子」である点が、作品の荒波を穏やかに感じさせてしまうところがあるので、もう少し不条理なキャラクターがいてもいいのかな、と思う。もちろん、不条理なことやめちゃくちゃなことをしたりするキャラクターはいるのだが、総じて「優し過ぎる」。

 もっと、昔のRPGのラスボスみたいな、自分のことしか考えていないキャラクターがいても面白いかもしれないと思った。

 

ただ「神様のカルテ」は本当に面白い。筆舌に尽くしがたいとは、まさにこのことである。

 

 

 

 

 

 

本当にオススメの一冊です!!

是非に読んでみてください!!