3度目の逢瀬は偶然にも、中秋の名月の夜でした。
私は、本当にそういう事には敢えて無関心を装っていましたが、
3度目というのが、いかに重要な日か、全く知りませんでした。
話の合間に、「月がきれいですね。」と言うので、
中秋の名月だったことすら気付かなかった私は、
何故度々そう言うのか、分からなかったどころか、
冬場に見えることの多い「地球照」の方が好きだとまで言ってしまい、
ふと、帰りの電車の中で、大変なことに気付きました。
「月がきれいですね」
は、かの有名な夏目漱石の教師時代のエピソードで、
I love you.
を和訳した時に使った表現だったことを思い出し、
私は何てKYだったんだろう・・・
とか、
本当に夏目漱石のそれだったのか確かめようか、確かめるまいかと
ご飯も喉を通らないほど胸がいっぱいになるなんて。
相手の前ではかなり理性的に振る舞っているのに、
動揺を抑えきれそうにない自分に、かなり戸惑っています。