ある朝、目覚めたら周りがおかしい事に気がつく。
静かなんだ。
いつもの騒がしさが聞こえない。
あんなに嫌だった騒音が、聞こえないと途端に不安に感じた。
だけど、その思いも一瞬だった。
窓を開けて見えた光景に、私の思いは弾けとんだ。
空には逆回転する、渦巻きが。
窓から見えるビル群が見えるが、外を歩く人々が一人もいない。
いつも慌ただしく歩いてる人間ばかりなのに。
一人も、歩いていない。
鼓動が早くなる。
落ち着こう、早まるな、そう自分に言い聞かせる。
両親は?
二人とも部屋にいない。
途端に涙が流れる。
今までの生活の記憶が流れ込んできたからだ。
だが、頭を切り替える。
別の場所で、両親は自分がいない人生を送っている。
弟は結婚して幸せだ。
たまに子供を見せてくれて、遊ばしてくれる。
両親は幸せに暮らしている。
これでいい。