$お伽草紙-1兄弟

むがす むがす、ずうっとむがす。
うんと仲良(なかい)ぐ暮らしてだ
$お伽草紙-2見えねぇ

ところが、どうしたごどが、兄(あんにゃ)の方のホトトギスは目が見えなぐなったんだど。
$お伽草紙-3河原

そんで弟(しゃで)がいしょっけんめいに食べ物、捕(と)ってきて、
「兄(あん)ちゃん!ほれ食え!兄(あん)ちゃん!ほれ食え!」
$お伽草紙-4食え

って自分は、ほんとは、毛虫の皮だの食って、兄(あん)ちゃんさは、うめぇどご食(か)せでたんだど・・・
$お伽草紙-1宿場町

遠くさ飛んでっては、町のようす、村のようすを話して聞かせたんだど。
$お伽草紙-2遠くへ

ある日さっぱり餌なくて、ずっと遠くまで行って、やっと虫を見つけて持ってきてね、そして、悪いどこは吾、食って兄(あん)ちゃんさは、いいどこ食(か)せたんだど。
$お伽草紙-3おめぇだけ

したっけぇ 兄(あん)ちゃんは、
「オメェばり 面白(おもしぇ)思いして、町だの村だの見物してこんなに遅くまで帰ってこねぇのが!」
「そしておれさぇこんなウメィどご食(か)せるもの!オメェは、もっとウメェどご食ってんだべ!」って、うんとなじったんだど。
$お伽草紙-4鳥瞰図

「そんでねぇ、今日は、さっぱり餌なぐて、遠くまで飛んで行ってんだぁ!」って言ったって、
兄(あんにゃ)は、さっぱり信じてくれねぇがったんだど・・・
そして理屈ばり語って・・・
$お伽草紙-a-demo

「そうでねぇ。こうでねぇ」っていうんだど。
$お伽草紙-yarusenai

吾(われ)は食(か)ねくたって、兄(あん)ちゃんさは食(か)せて、やしなってたのだから、弟(しゃで)は兄(あん)ちゃんの言葉聞いて、うんとやしゃねぐ(やるせなく)なってしゃ、
$お伽草紙-3saite

「そんなにまで言うなら、おれの腹、裂(さ)いて見せっから」と
弟(しゃで)は、くちばしで吾の腹、裂いて見せたんだど。
お伽草紙-4menitiga

そうしたらば、パッと血が飛んで、兄の眼(まなぐ)さ入(へ)って兄の眼が・・・
お伽草紙-1si

見えるようになった眼(まなぐ)で、兄(あんにゃ)が見開いて見たれば、弟(しゃで)はやせこけて、その腹のなかには・・・
お伽草紙-2sosyakubutu

けむしの皮だの麦の皮だの、いっそロクな物しか入(へ)っていなかったんだど、兄(あんにゃ)は動転(どでん)してすまって、
お伽草紙-3oitukazu

「ワーっ!まんずこいなぐしてまで、おれどご、やしなってだのが!」って後悔したけど、もう追っつねぇがったのね。
$お伽草紙-4tobuH

そんで、兄(あんにゃ)のホトトギスは、八千八声(はっせんやこえ)鳴きつづけて、
ポット 裂けたか
ポット 裂けたか

っていまも飛んで鳴くんだど。
こんで よんつこ もんつこ さげすた

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