先走りの恋

前を読む
まんずなぁ~この男、どんどん先走りして、娘、嫁ごにしたくてしたくて
 忙しい男で、その娘のうちさぁ毒消し売りさぁ行くふりして、娘を「どうぞ、この私の嫁にくんねかの-」って---
じゃりんこの砦-1土間

土間でお茶っこ頂きながら、話したんだど
じゃりんこの砦-2婆

 娘の親父とお方(おかた・妻)は、なぜかしら目くばせしたようにニッコとして
親父「いがす。いがす。越後の巷(まき)の屋さんは、三代にわたって毒消しのお世話なってるがら」
親父「ほだげどこっちも準備あっから来年まで待ってけらしぇ」って
言われたんど
じゃりんこの砦-33代

そしてこの男、そこの里中に行商のついでに
娘のこと聞き回ったんだど
 みんなニコニコして
「ああ~世ェ門さんの家の娘がー」
「それはそれは働き者で器量もいい気持ちも優すい娘だべ」って誰一人悪口(わるぐち)言う
人いねがったので、男もスッカリその気になったの~。マンズマンズ。
じゃりんこの砦-4鰯雲

そして夏も終わり---
背負う荷や草鞋(わらじ)弾むか鰯雲
---と越後さぁ帰(け)って行(い)ったんだど

 そして、越後さぁ帰(け)って、「栗駒の麓の村でとってもいい娘見つけてのう~つぁーつぁ(親父さん)に嫁にもらう約束してきただ」
じゃりんこの砦-2婆

 父に
「バカだなぁ、良く考えろ、行商の何処の馬の骨か、わからない野郎に二つ返事で娘くれると思って!」
「なにかあるぞ、病気持ちやカタワだったらお前(まん)勘当だからな!」って怒られ
「大丈夫(デぃじょうぶ)だ里の家々に噂聞いて
誰一人悪く言う人いなかったでのう」って

 また次の年にここの里さぁ喜び勇んで来たんだど! 続き


※セリフの中に今日では差別用語になる言葉もありますが、そのころの民衆の障害の認識度合いの表現の為、あえてつかいました。

少しでも心が動きましたらクリック応援お願いします!!
携帯の方はこちらをクリックしてください。ランキングサイトが表示になれば投票有効になります人気ブログランキングへ

GMO ブログセンター
にほんブログ村 イラストブログ イラストエッセイへ
にほんブログ村
オートネットリンクに登録しませんか

おきてがみ
おきてがみの使い方

トップ