『涙を越えて行こう2』
白い制服を着た、花巻駅長がピーンと伸びたカイゼル髭を誇らしげに、
「ただいまから昴(すばる)行・イーハートヴ号の出発式を行ないます」と
宣誓をおこなった。 子供たちの手からいっせいに風船が離たれ・…
赤・青・黄色の色とりどりの風船がホ~ムに舞った。

二人には子供たちからいっぱいの花束が手渡され育美ちゃんは
「ウワーこんなに私もてない」と悲鳴に似た歓声をあげた!
二人は白い服の駅員に車椅子を押してもらい列車に乗り込んだ。
流線形のホワイトにブルーのストライプの人った車体であった。
「ウソー銀河鉄道って蒸気機関車じゃないの」
「世の中進歩してるんだぜ二十一世紀はこまち型の新幹線さ」
「どこへ行くの」
「双子座のチュンセとポンセ に掛かる鉄橋を渡って
白鳥座を経て昴に着くのは何日後だろう」
「でも研二さんと一緒なら私どこへでも行くわ」
駅員がホイッスルを吹くと列車は静かに走り出した。
時折、列車のガッタンゴットンという振動が伝わってくる。
やがて列車は盛岡を過ぎ…。
「ねえ新幹線って盛岡(現在は八戸まで開通してるが)までしか走ってないんでしょう、こまちは雫石方面を通るけど」
「常識的に考えれそうだけどね」 列車はどんどん進んでいく~。
そして岩手山を越してもうレールの上を走ってるのではなく。無限軌道だ!
「もうこの列車は地球上の物理の法則でなく、エーテルとエーテルの隙間を走っている、もう時空の壁を乗り越えたのさ」
「時空の?」 ---続く
