『影響8』
伊豆野のオッちゃんがまた魚に噛みついて・…
「あゆみちゃんこういうのなんていう精神病や」
「うんよく分からないけど自尊心喪失病でも言うんじゃないかしら」
「ふうん現代人は軟弱じゃのう」
そう言いながら縄文人は僕のワインを盗み飲んだ。
縄文時代は僕達、障害者は生きにくい時代というのがよく分かった。
とにかく料理は食べられるものがまともにないのだ。
モソモソした赤米の古代米、
ヒエ、粟(あわ)などの雑穀類にしたって食えたもんじゃないし。
そば粉を練って焼いてボソボソしてあの麺類の蕎麦とは大違いだ。
どんぐりのクッキー にしたって、
なんかエグミというか灰汁(あく)が強くて食えたものじゃないんだ。
なんとか川魚を焼いたものは食えるが塩味がないため、あまりうまくはない。
そんなこんなで障害者も健常者の二人の女性も
僕達がもち込んだ現代食しか主に食ってないので、
みんな体力的に弱ってた。
いちばん情けない顔をしているのはチカだ。
とにかく縄文食は固いものが多くって良く噛まないと駄目な物が多いのだ。
障害のせいで咀聯力(そしゃくりょく)が弱いためほとんど食べれなかった。
おまけに右手がつかえないので
いつもはスプーンで食べていたが、
縄文人のところにはスプーンがなかったので。
美穂ちゃんが箸で□まで達んで食べさせていたが、
□に合う食い物がなく、ほとんど食べなかった。
二日目の予定は縄文人とのウォーキングの予定だったが、
僕ら現代人にはもうそういう気力はなかった。
「おい、みんな早くここ逃げっぺ」と
朝方、伊豆野のオッちゃんは寝床で僕達にいった。
健常者は二階のハンモックのような網で寝ていて。
僕達、障害者は地べたにムシロを敷きシュラフにくるまって寝ているが、
地面からのなんともいえない冷たさと湿気に寝苦しかった。
チカが涙をながして「もう帰ったい」と言った。
野田のオッちゃんがディパックからチョコとチーズを出し、
みんなにわたし… 「伊豆野さんうまく縄文人に言ってくれ」ということで………
僕達は縄文人のところを脱出した---次に続く
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