『圧力2』
「まあまあ親子喧嘩すんなや」
伊豆野のオッちゃんは海老を噛りながらそう言った。
婆ちゃんは
「県北の養鰹(こい)場でとれた鰹の刺身(さすみ)だ食ってけろ」と鰹の刺身をサービスした。
野田のオッちゃんが「バッカス、シナリオ書くか」と鯉の刺身を口入れた。
伊豆野のオッちゃんがキョトンとし …
「シナリオ!?」
バッカスさんが鰹の刺身をペロンと□に入れて
「ドキュメントや報道番組でもあらかじめ台本があって、
それにそって作られるんです。」
「インタービュの受け答えまで細かく指示するプロデュウサーもいます」
伊豆野のオッちゃんは刺身を噛まずに飲み込み目を白黒させて
「そんなのヤラセでねぇが」と言った。
「ヤラセって言ってしまえばヤラセですが、それがTVの世界では常識なんです」
野田のオッちゃんが、惚けた顔して。
「バッカスよくアルバイトでインタービュの桜したもんだよな」
「ああ僕はこの通り小人症なもんでそういった障害者の代表面して」
バッカスさんはそういいつつ笑った 。
「俺は新左翼だの新興宗教のカブレの役だ~ハハハハハ!」と
野田のオッちゃんはビールを飲み干した。
「ほとんど病気だなや」そう言。て、伊豆野のオ″ちゃんは顔をしかめた。
「ううん面白(おもしぇ)いでねの」郁恵さんはそう言い、みんなにビールを注ぎ。
「はやく台本書いて育美も私も協力すっから」と笑って言った。
そして野田のオッちゃんがシナリオを書き藤原さんなども手伝って完成し
TDF系列の地元、某テレビ局が撮影や録音などを担当し製作が開始された。
僕らの学校は様々な行事のときテレビ局がよくきて
『障害に負けずに頑張る仲聞たち』といつも体裁良くいつもまとめられていた。
僕はそんなヨイショ番組に嫌気がさしていた。
野田のオッちゃんのシナリオの基本コンセプトは知られざる
障害者職業能力開発それと
障害者の現状についでだ。取材は極秘裏に進められた。
なぜなら公にすれば必ず某機関からの圧力があるからだ---次に続く
