『圧力1』
夏休みが終わって。
芝居の本格的な稽古が開始されたと言いたいが、
学校側から思わぬ圧力がかかった。
何も毎日、外出届け出してまで、稽古をする必要があるのか。
訓練生は国から訓練手当をもらって訓練している立場というものを
忘れては困ると言うものだった。
野田のオッちゃんはとりあえず言うことを聞くしかないということで、
そのことに対する作戦をじっくり練っているようだった。
なにしろ国家(厚生労働省)が相手なのだ。
それで僕達はとりあえず土、日に集まりしばらくはこの体制でいくことになった。
その後の学校側との喧嘩が面白いのだ!
僕らの世代は不満はいうが、変えようと実践できないが
団塊の世代はためらわずに行動する点は学ぶべきだ!
なにしろマスコミまで巻き込んでの僕達の反撃が始まったのだ。
野田のオッちゃん、伊豆野のオッちゃん、バッカスさんは
『いずぬま』に集まった。
これから学校に対する作戦の参謀会議がはじまるのだ。
野田のオッちゃんはみんなにビールを注いで
「しかし面白(おもしぇ)ぐねえな」と言った。
バッカスさんがアタリメを噛って。
「まあ、焦んなよ、役所なんてそんなものよ」と歯をシーシーさせた。
伊豆野のオッちゃんは沼海老の天ぷらをむしゃむしゃとたべながら・…
「奴らは何も俺だちのことよりテメラのメンツだけを考えているだけだちゃ」
野田のオッちゃんは自然薯(じねんじょ)蕎麦を啜って
「まあ~ここで不満を言ったってしょがねぇべ、それよりバッカスTDFの報道プロデュサーの紹介をよろしくな」
「でも何を売り込むかだ」とバッカスさんはまたシーシーとアタリメを噛った
そこへ郁恵さん(育美ちゃんのお母さん)が登場して・… 「面白(おもしぇ)ようだね、私も交ぜて」とニコニコ微笑んだ。
婆ちゃんは煙草を吹かしながら眉間に皺(しわ)をよせ
「郁恵!お客さんの邪魔すんな」
伊豆野のオッちゃんが天ぷらのカスを唇のへりにつけて・…
「まずまずいいがら婆ちゃん!郁恵さんも交(ま)じらゃれ」
そういって郁恵さんにビールを注いだ。
郁恵さんはそのビールをイッキに飲み干し。
「婆ちゃん私のツケでビール三本だして」婆ちゃんはあきれながら…
「オメエが飲んだってハッパリ儲げになんねんだぞ」
「このしみたれ婆(ばばぁ)!」
「ああ~そうやって悪態(あくたい)なんぽでもつけ!」