<僕とチカの決意1>
僕はあやめちゃんのことで嫌なことを耳にした。
仙台の大学に行っている友達から聞いたんけど。
なんかあやめちゃんは会津の猪苗代からきた菅家という奴と付き合っているらしい。
携帯の番号も変えたらしく連休の後
何度電話しても機械的なつめたい
『この電話はお客様の都合でつかわれてません』という声が何度もした。
六月最後の土曜に僕は野田のオッちゃんの引っ越しを手伝だった。
野田のオッちゃんとその家族は台原ヒルズという賃貸マンションに引っ越した。
台原の地下鉄の駅に近くで家賃は七万円だそうだ。
食費をださない分、家賃は全部、野田のオッちゃんが負担するそうだ。
娘さんの美穂ちゃんも五ッ橋の福祉専門学校に通っているので、
地下鉄に乗ればすぐだし。
美佐子さんも南の終点、富沢駅で降りればよく、
そういうことで台原を選んだそうだ。
僕は野田のオッちゃんの家で昼食をご馳走になると
「それじゃ」と…野田のオッちゃんのところを出た。
野田のオッちゃんが… 「なんかレッツ元気がネェんじゃないか!」と言ったが…… 「引っ越し疲れだよ」と僕はゴマ化した。
そのあと僕は台原森林公園 を散策して---。
この日は六月には珍しく快晴の青空の広がる良い天気だった。
この台原森林公園は県有林を公園にした公園でかなりの面積があった。
地下鉄台原(だいのはら)駅から旭ケ丘駅までの二駅に股がり、
それでも面積は余った。
旭ケ丘駅前にはちょっとした池があってアヒルが泳いでいた。
もともとこの池にはアヒルがいない?誰かが放したんだろう。
どこかの三才くらいの男の子が水辺で遊んでいた。
菖蒲(しょうぶ)かアヤメが咲いていた
僕には菖蒲とあやめの違いはわからない。
………でも僕はあやめちゃんにふられたことはわかった。
水面を眺めていると、
猪苗代 の湖面のようにキラキラとあの夏の日と同じだ。
でも…あの花のような香りと柔らかい唇は手の届かないところへ行った
…次に続く

