<レジスタンス7>
僕は寄宿舎に帰って脚本を読んでみた。
「オ!こっこれは」と手を震わせて読んだ。
SFの芝居で時代設定は二十一世紀の中頃の社会が舞台で---。
藤原君がこの芝居を書くキッカケは遺伝病の患者夫婦(どちらかが遺伝病でも)の妊婦に対し
遺伝子診断 を義務づけることが話題になった。
これは妊娠した胎児がもし障害をもっていたということがわかれば、
人の常として、誰でも一つ目小僧が生まれるのが嫌で、
その子を不偏(ふびん)と---堕胎してしまう。
今、自分が空気を吸って生きているが、
自分がこんな障害者とわかったら母親がこの世に自分を送り出していただろうか。
生きるとは何か/人間とは何か---。
障害者とは何かを問う脚本だった。
僕はまだそのとき、この芝居でまさか主役を演ずるとは思っていなかった--- 。

