明日は、息子の24歳の誕生日


今から7年前の夏

息子は高校を休学しました。


休学届は、息子と私と夫の3人で学校に赴き担任の先生と面談したのち提出しました。


その日も暑い日でした。


息子は久しぶりの制服を身につけて

硬い表情のまま車に乗り込みました。


学校に着いてもその表情は変わらず

でも、担任の先生とのやりとりはいつものしっかりとした息子のようにうつりました。


ただ、やはり私にはどこか無理をしている息子に見えて仕方ありませんでした。

どこがどう違うのか?説明はできませんが明らかに違うんです。肩に力が入っているような?そんな感じ。緊張感が漂ってくるんです。


夫は先生に

「なんで学校に行けないのか?不思議ですよね。」

とか言ってどこか他人事。


まあね、仕方ない。単身赴任中の男親ってこんなものなのかもしれない。


帰りの車の中


息子は持参したリュックの中から

Tシャツと短パンとサンダルを取り出して、すごい勢いで制服を剥ぎ取るように脱ぎ着替えたのでした。

そして、それまで着ていた制服はぐしゃぐしゃに丸めてリュックの中に押し込んだのでした。



それを見て愕然としました。


制服を着る事さえも苦痛だったとは。


逆に、どんな気持ちで制服のシャツに袖を通したのだろう?

よほどの覚悟で着たんだろうと思って泣きそうになりました。



その後は無言で過ごした息子。


夫は何か言いたそうでしたが

車の中での様子などを伝えて

「制服を着るのもやっとなんだから。よほどの事なんだよ。だから今は黙っていよう。」

とお願いしたのでした。


夫も

「そうだな」

と言ってその後は普段通りに過ごして単身赴任先へと戻って行きました。


それからしばらくして

17歳の誕生日を私と二人っきりで過ごし

息子のひとりぼっちの日々が続いていくのです。


誰かと繋がっていて欲しい

外に出て欲しい

学校に戻って欲しい


私の思いはいくつもありましたが

息子のあの硬い表情を思い出し

「笑っているだけで良い!」

と思いなおすのでした。



さて、あれから7年の月日が経ち

今の息子はどうしてるか?


ご存知のように、元気に自分の道を歩いていますよ。

仲間たちもたくさんいて、尊敬する先輩たちもいて。

なんだか楽しそうですよ。

ちゃんと笑って生きています。