芥川賞;絲山秋子さん。直木賞;東野圭吾さん | 汗かいても、いいですか?

芥川賞;絲山秋子さん。直木賞;東野圭吾さん


第134回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が17日、東京・築地の「新喜楽」で開かれ、芥川賞が絲山秋子さん(39)の「沖で待つ」(「文学界」9月号)に、直木賞は東野圭吾さん(47)の「容疑者Xの献身」(文芸春秋)に決まった。
 両賞は菊池寛が創設して今年で71年。贈呈式は2月17日午後6時から、東京・丸の内の東京会館で開かれ、正賞の時計と副賞100万円がそれぞれ贈られる。
 絲山作品は、住宅設備機器メーカーの営業職の女性「私」が主人公。事故死した同期の男性「太っちゃん」との関係を通して、職場の群像や仕事のエピソードが簡潔に描かれ、人と人との出会いの切なさを伝える。男女雇用機会均等法による「女性総合職」の草分けとして奮闘した作者自身の経験が色濃く反映されている。
 東野作品は天才物理学者、湯川が謎解きに挑む「探偵ガリレオ」シリーズ3作目の長編ミステリー。対峙(たいじ)するのは天才数学者、石神。愛する女性が犯した殺人を隠そうと、大胆なトリックを仕掛ける石神の純愛を描いた。【米本浩一、内藤麻里子】
 ■芥川賞選評
 芥川賞選考委員の池澤夏樹さんは絲山作品について「既に成熟した作家。男と女の同僚としての友情や、仕事の現場の雰囲気が過不足なく書けている。滑らかに読め、文章が巧みだ」と評した。
 【芥川賞・略歴】絲山秋子さん(いとやま・あきこ) 東京都世田谷区生まれ。早稲田大政治経済学部卒。住宅設備機器会社勤務を経て作家。03年、「イッツ・オンリー・トーク」で文学界新人賞。「海の仙人」で芸術選奨文部科学大臣新人賞。「袋小路の男」で川端康成文学賞。昨夏、「逃亡くそたわけ」で直木賞候補。群馬県高崎市在住。
 ■直木賞選評
 直木賞選考委員の阿刀田高さんは、東野作品について「人間が描かれているかどうかについて激しい議論になった。しかし、特徴的なトリックを上手に作品化し、推理小説として優れている。完成度も高い」と話した。