2026年3月、テヘランの夜空に巨大な火花が散った。
その閃光が照らし出したのは、国際政治という名の、あまりにも残酷な生態系だ。

今、世界が見ているのは、一匹の巨大な カマキリ の苦悶である。
その名はアメリカ。
かつては草原の王者として君臨し、鋭い鎌で世界の秩序を切り裂いてきた。
その脳内には、冷徹な計算──“ディール”という名の信仰が渦巻いている。
自分こそがこの庭の主であり、獲物を選び、引き際を決めるのも自分だと、疑いもしない。

だが、その腹の奥深くに、カマキリ自身が気づかぬまま潜り込んだ生命体がいる。
ハリガネムシ。イスラエルという名の寄生者だ。
宿主の栄養を吸い取りながら、静かに、しかし確実にその神経系を乗っ取っていく。

カマキリは陸地に留まろうとする。
「平和的な解決」を口にし、戦火から距離を取ろうとする。
だが、その足は脳の命令を裏切り、一歩、また一歩と、水辺へ向かっていく。
そこは中東の戦火──宿主にとっての“死の深淵”だ。

カマキリが「攻撃停止」を叫ぶその瞬間、
線虫は宿主の体を操り、テヘランの空へミサイルを放つ。
宿主のメンツが潰れようと、貴重な“目”が破壊されようと、線虫には関係がない。
その目的はただ一つ。
宿主を水に飛び込ませ、その混乱の中で自らの生存圏を確保すること。

水辺の底では、巨大な イワナ が口を開けて待っている。
ロシアという名のその魚は、カマキリが溺れ、自滅する瞬間をじっと待ち続けている。
空の上では、賢い 鳥 が旋回している。
中国だ。
彼らは戦わない。
ただ、生態系が崩れ、強者が消えた後の焼け野原を、
新たな支配者として接収するその時を待っている。

そして、カマキリの背中には、小さな 子カマキリ がしがみついている。
日本だ。
宿主が水に落ちれば、共に沈むしかない。
蓄えてきた栄養──原油備蓄を吐き出しながら、
震える触覚で「どうか正気に戻ってくれ」と祈り続けている。

蓋を開けてみれば、そこにいたのは輝かしい未来ではなかった。
制御不能な寄生者と、崩れゆく巨大な宿主。
その現実だけが、冷たく横たわっている。

カマキリは、自らの脳を取り戻し、水辺から引き返すことができるのか。
それとも、線虫に導かれるまま、冷たい水の底へと沈んでいくのか。
2026年の春、私たちは一匹の巨大なカマキリが、
その重みと、内に抱えた影に耐えきれず崩れ落ちていく──
その“終わりの始まり”を見ているのかもしれない。