シニア雇用の現実と、日本型組織が抱え続ける“終身雇用の亡霊”。
その影は、静かに、しかし確実に深くなっている。

シニアの再就職が増える一方で、現場では深い溝が広がっている。
長年のキャリアを武器に再び働こうとする人々が、期待とは裏腹に「役割の壁」に直面するケースは後を絶たない。

そんな中、Yahooニュースで以下の記事をみつけた。
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都内の中堅メーカーで38年間、製造現場を支えてきた佐々木一郎さん(66歳・仮名)もその一人だ。
工場次長として100人規模の工程管理を担い、若手育成にも尽力してきた“現場のプロ”。
しかし再就職の場で提示されたのは、最低賃金に近い時給と、資材整理や清掃といった補助業務だった。

面接では「経験者歓迎」「若手指導を期待」と評価されたにもかかわらず、実際の役割は大幅に縮小された。
企業側の説明は「現場が若いから」。
能力ではなく、年齢と序列を理由に役割が制限される構造が露わになった。
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この背景には、日本の組織文化が抱え続ける“終身雇用の亡霊”がある。
制度としては崩れつつあるが、文化としては依然として強固だ。
年齢が序列を決め、在籍年数が権威となり、役職が人格と同一視される。
この構造の中では、年上の新人は扱いづらい。
若い現場に配置しづらい。
結果として、どれほどの経験を持つシニアであっても、補助的な役割に押し込まれやすい。

さらに、日本特有の“部活的上下関係”も影響している。
直接の先輩の指示には従うが、序列が飛ぶと関係が機能しなくなる。
「先輩の先輩は指示できない」という構造が、企業の現場にもそのまま持ち込まれている。

若い現場に元管理職のシニアが入ると、序列が乱れる。
企業はそれを避けるため、シニアを“雑用枠”に配置する。
これは能力の問題ではなく、文化の問題だ。

そして、この構造は団塊ジュニア世代にも影を落とす。
若い頃は「枠がない」と言われ、年齢を重ねれば「役割がない」と言われる。
内部にいても外部にいても、組織の序列に翻弄される世代だ。

だが、文化は変わらない。
変わる気配もない。
ならば、変革は自分の側から起こすしかない。

団塊ジュニアが進むべき道は、組織の内部にしがみつくことではない。
自らの技能を“外部ファイル化”することだ。

内部の序列に組み込まれず、必要な時だけ呼ばれる存在になる。
スポットワーク、専門職契約、独立、プロジェクト単位の参画。
外部に立つことで、摩擦は消え、能力だけが評価される。
氷河期を生き抜いた世代は、もともと外部で戦う力を持っている。

不安なら、同世代の仲間を募ればいい。
団塊ジュニアは個々が強いが、横につながればさらに強くなる。
討死を待つ必要はない。
攻めに転じる方が、この世代にはよく似合う。

勝ち負けではない。
重要なのは、最後に自分の誇りを取り戻すことだ。

団塊ジュニアには、その力がまだ残っている。
討ち死にするより攻める方が、団塊ジュニアにはよく似合う。