2月末日の風はまだ冬のままだが、頬に触れる陽の光だけは、確かに春の方を向いている。

眩しさに目を細めながら歩いていると、心の奥が、ほんのわずかに揺れる。

冷たい風と、眩しい光。

その矛盾の中に立つとき、人はいつも、何かの終わりと、何かの始まりを感じ取ってしまう。

ターミナルのテナントから、globe の departures が、喧騒の隙間を縫うように聞こえてきた。

冬の透明さを残したまま、どこか遠くへ向かう気配だけが、静かに空気を震わせている。

ターミナルを行き交うスーツケースは、やがて来る春を待つ蕾のように見えた。

まだ固いままの形の奥に、誰かの夢や希望が静かに息づいているように思えた。

この時期のターミナルの光景は、ふとした瞬間に、過去の自分を思い出させる。

希望よりも、不安の方がずっと大きかったあの頃。

胸の奥が押し潰されそうになりながら、それでも前へ進むしかなかった日々が、午後の光に照らされて、静かに輪郭を取り戻す。

遠く過ぎたはずの時間が、目の前にほのかに浮かび上がる。

まるで、冷たい風と眩しい光が、記憶の扉をそっと叩いたかのように。