花広場に到着し愛をベビーカーに乗せようとした時、愛が目を覚ました。
「抱っこ抱っこ抱っこ!!」
いつものことながら大変だ。
公園とかに着いてしまえば元気よく走り回るのだが移動はなぜだか必ず抱っこをせがんでくる。
本当に甘えんぼさんで困ってしまう。
「はい、愛ちゃん、おばあちゃんが抱っこしてあげるからおいで。」
母が愛を抱き、私は荷物持ちに。
駐車場から花広場の入門ゲートに向かうと愛が、
「おじいちゃん!!おじいちゃん!!」
と、足をバタつかせ両手で入門ゲートの方を指し興奮しだした。
愛の言うままに入門ゲートに目をやると、そこには確かに父の姿があった。
「あなた何してるの?」
母は少し遠いところから父に声をかけた。
父はバツが悪そうに何も応えず腕組みをし入門ゲートに入る準備をしているようだった。
「おじいちゃん!!」
父のいるところまで辿り着くと愛は母から父の方へと抱っこをせがみ飛んで行った。
「おっとっとっとっと~!!」
父はそう言いながら愛を抱っこした。
父と私が気間づくなるよりも早く母が、
「さぁ、みんなで花広場へ行こうかね。」
と、言いみんなで入門ゲートを潜った。
花広場内に入ると色とりどりの鮮やかな景色に興奮した愛は、
きゃっきゃきゃっきゃ言いながら走り回りだした。
パンジーが植えてある箇所にきた時愛の動きが止まった。
少し遅れて私が後ろから追いつくと、
「ママー!!ちょうちょがいっぱいいるよ!!」
と、パンジーを指差しジャンプしながら物凄く高いテンションでハシャギだした。
「愛、それはね、ちょうちょじゃなくてパンジーっていうお花さんだよ。でもちょうちょにそっくりだね。」
「パンジー?」
と、私が愛に教えてあげたらそれまで一言も口を開かなかった父が話しだした。
「結が愛ぐらいの時も同じことをいってたなぁ。やっぱり親子なんだな。」
父が私に向かって話をしてくれたのは妊娠を伝えに行った日以来だ。
愛と私を結ぶエピソードをわざわざここまできて言ってくれたのかと思うと、
父の愛情を感じずにはいられず涙が込み上げて来た。
「ほらぁ、こんなところで泣かない~。」
母がハンカチを渡してくれた。
「あっ!!ママー、ちょうちょだよ~!!」
愛が指差す空を軽く見上げるとそこには確かにちょうちょの姿があった。
「愛、ちょうちょ見れて良かったね!!」
「うん、ママ何で泣いてるの?」
「ちょっと涙が出て来ちゃった。」
愛は不思議そうな顔で私を見ていた。
帰り道、父は一人で自分の車を運転して帰っていった。
母は私の車に。
愛は車に乗ったらすぐに眠ってしまった。
テンションが高かったのでその分疲れたのだろう。
「お母さんは知ってたの?お父さんが花広場にいること?」
「知らなかったけど、多分いるんじゃないかってとは思ってたよ。だって結がせっかく誘ってくれたんだから。ただ一緒にいくのは恥ずかしかったんだよ。パンジーの前で結の小さかった頃の話がしたかったんだと思うなぁ、きっと。」
父との関係を修復出来るかどうかは私のこれから次第だ。
父には理想があっただろう。
それに応えなければいけないなんて決まりはどこにもない。
でも私が傷ついたのと同じように父もきっと許しきれない何かがあったんだと今なら思える。
実家に着く頃夕日が顔に辺り眩しさで愛が目を覚ました。
「おじいちゃんは?」
「今からおじいちゃん家でみんなでご飯だよ。」
そう愛に伝えると、無邪気にやった~と喜んだ。
これからが愛と私の新たな人生の始まりだ、きっと。
私と愛、父と母を結ぶ太い絆が生まれた日だ。
私も今日だけは子供に戻ったような気がした。
そういうモノなのかも知れない、親子とは。
どこまでもその関係性は普遍的なのだろう。
今晩はおいしい夕飯になりそうだな。
「抱っこ抱っこ抱っこ!!」
いつものことながら大変だ。
公園とかに着いてしまえば元気よく走り回るのだが移動はなぜだか必ず抱っこをせがんでくる。
本当に甘えんぼさんで困ってしまう。
「はい、愛ちゃん、おばあちゃんが抱っこしてあげるからおいで。」
母が愛を抱き、私は荷物持ちに。
駐車場から花広場の入門ゲートに向かうと愛が、
「おじいちゃん!!おじいちゃん!!」
と、足をバタつかせ両手で入門ゲートの方を指し興奮しだした。
愛の言うままに入門ゲートに目をやると、そこには確かに父の姿があった。
「あなた何してるの?」
母は少し遠いところから父に声をかけた。
父はバツが悪そうに何も応えず腕組みをし入門ゲートに入る準備をしているようだった。
「おじいちゃん!!」
父のいるところまで辿り着くと愛は母から父の方へと抱っこをせがみ飛んで行った。
「おっとっとっとっと~!!」
父はそう言いながら愛を抱っこした。
父と私が気間づくなるよりも早く母が、
「さぁ、みんなで花広場へ行こうかね。」
と、言いみんなで入門ゲートを潜った。
花広場内に入ると色とりどりの鮮やかな景色に興奮した愛は、
きゃっきゃきゃっきゃ言いながら走り回りだした。
パンジーが植えてある箇所にきた時愛の動きが止まった。
少し遅れて私が後ろから追いつくと、
「ママー!!ちょうちょがいっぱいいるよ!!」
と、パンジーを指差しジャンプしながら物凄く高いテンションでハシャギだした。
「愛、それはね、ちょうちょじゃなくてパンジーっていうお花さんだよ。でもちょうちょにそっくりだね。」
「パンジー?」
と、私が愛に教えてあげたらそれまで一言も口を開かなかった父が話しだした。
「結が愛ぐらいの時も同じことをいってたなぁ。やっぱり親子なんだな。」
父が私に向かって話をしてくれたのは妊娠を伝えに行った日以来だ。
愛と私を結ぶエピソードをわざわざここまできて言ってくれたのかと思うと、
父の愛情を感じずにはいられず涙が込み上げて来た。
「ほらぁ、こんなところで泣かない~。」
母がハンカチを渡してくれた。
「あっ!!ママー、ちょうちょだよ~!!」
愛が指差す空を軽く見上げるとそこには確かにちょうちょの姿があった。
「愛、ちょうちょ見れて良かったね!!」
「うん、ママ何で泣いてるの?」
「ちょっと涙が出て来ちゃった。」
愛は不思議そうな顔で私を見ていた。
帰り道、父は一人で自分の車を運転して帰っていった。
母は私の車に。
愛は車に乗ったらすぐに眠ってしまった。
テンションが高かったのでその分疲れたのだろう。
「お母さんは知ってたの?お父さんが花広場にいること?」
「知らなかったけど、多分いるんじゃないかってとは思ってたよ。だって結がせっかく誘ってくれたんだから。ただ一緒にいくのは恥ずかしかったんだよ。パンジーの前で結の小さかった頃の話がしたかったんだと思うなぁ、きっと。」
父との関係を修復出来るかどうかは私のこれから次第だ。
父には理想があっただろう。
それに応えなければいけないなんて決まりはどこにもない。
でも私が傷ついたのと同じように父もきっと許しきれない何かがあったんだと今なら思える。
実家に着く頃夕日が顔に辺り眩しさで愛が目を覚ました。
「おじいちゃんは?」
「今からおじいちゃん家でみんなでご飯だよ。」
そう愛に伝えると、無邪気にやった~と喜んだ。
これからが愛と私の新たな人生の始まりだ、きっと。
私と愛、父と母を結ぶ太い絆が生まれた日だ。
私も今日だけは子供に戻ったような気がした。
そういうモノなのかも知れない、親子とは。
どこまでもその関係性は普遍的なのだろう。
今晩はおいしい夕飯になりそうだな。