大好きな作家の一人、重松清さん。
初めて読んだ作品
『小さき者へ』
表題作を含む短編6編からなる小説。
最初のストーリー、『海まで』。
これひとつ読んで僕は、『この小説家の作品は全て読もう!!』と、思いました。
まだ、全ての作品を読破してはいませんが、読み終えた作品の中でも
かなり秀逸な作品だと個人的には思います。
『海まで』についてもいずれこのブログ内で書きたいとは思いますが、
今日は表題作『小さき者へ』を・・・。
重松さんの作品はほとんどの場合、読み終えた時(読んでいる最中もかな)胸が痛くなります。
でも決して不快な気持ちが残るワケではありません。
そのことこそが重松作品の魅力なんだと思います。
作品の中に明確なメッセージはあまりありません。
読み手がどう判断するかというメッセージは含まれていますが・・・。
ドリーが生まれてすぐの頃、この作品を読みました。
正直、この頃の僕に父親という立場の自覚がしっかりとあったワケではないと思います。
どちらかと言うと、自分はまだ子供の立場として生きていたと・・・。
なので、自分自身の父親、母親とのあれこれに重きを置いて読んでいたように思います。
主人公は登校拒否の14歳の息子を持つ父親。
息子との直接的な関わりを持つ代わりに、手紙を書くというストーリー。
日々、その手紙を書いているうちに主人公は自分が14歳だった頃のことを書き始める・・・
ここで、主人公の父親(登校拒否の息子の祖父)が出て来るのですが、
その父親が本当に大事なところで息子(主人公)に発した一言が、
親である者の核でなければいけないであろう言葉だったのです。
もちろん親としてだけでなく、あらゆる人へ、そんな気持ちを持てたなら・・・と言う言葉です。
涙が止まりませんでした。
一体、世界中のどれだけの人が、この言葉を言えるのでしょうか?
心からそんな一言を言える大切な人が自分の周りにどれだけいるのか・・・
そんな人が幸福なことにいたとしても、はたしてその言葉をかけることができるのか・・・
また逆に自分に対してそんな言葉をかけてくれる人はいるのか・・・
過去のこと、これから先の未来のこと、いろんなことが瞬時に頭の中を駆け巡り、
涙が止まらなくなったのです。
その言葉とは
『一緒に拾う』
これ以上のことを書くのは止めておきます。
是非とも、自分自身で読んでその暖かさ、優しさ、強さを感じて下さい。
僕なんかのつたない言葉の羅列では、
その本当の良さ(深さ)を伝えきることは出来ないので・・・。
先に、重松さんの作品はあまり結論じみたメッセージは含まれていないことが多いと書きました。
が、しかし、この作品は強いメッセージを発している作品ではないかと僕は思います。
もしもこの先、とても困難なことにブチ当たる時が訪れたら、
どんなに少なくとも、ドリーと妻にだけはこの言葉をかけたいと思う・・・
初めて読んだ作品
『小さき者へ』
表題作を含む短編6編からなる小説。
最初のストーリー、『海まで』。
これひとつ読んで僕は、『この小説家の作品は全て読もう!!』と、思いました。
まだ、全ての作品を読破してはいませんが、読み終えた作品の中でも
かなり秀逸な作品だと個人的には思います。
『海まで』についてもいずれこのブログ内で書きたいとは思いますが、
今日は表題作『小さき者へ』を・・・。
重松さんの作品はほとんどの場合、読み終えた時(読んでいる最中もかな)胸が痛くなります。
でも決して不快な気持ちが残るワケではありません。
そのことこそが重松作品の魅力なんだと思います。
作品の中に明確なメッセージはあまりありません。
読み手がどう判断するかというメッセージは含まれていますが・・・。
ドリーが生まれてすぐの頃、この作品を読みました。
正直、この頃の僕に父親という立場の自覚がしっかりとあったワケではないと思います。
どちらかと言うと、自分はまだ子供の立場として生きていたと・・・。
なので、自分自身の父親、母親とのあれこれに重きを置いて読んでいたように思います。
主人公は登校拒否の14歳の息子を持つ父親。
息子との直接的な関わりを持つ代わりに、手紙を書くというストーリー。
日々、その手紙を書いているうちに主人公は自分が14歳だった頃のことを書き始める・・・
ここで、主人公の父親(登校拒否の息子の祖父)が出て来るのですが、
その父親が本当に大事なところで息子(主人公)に発した一言が、
親である者の核でなければいけないであろう言葉だったのです。
もちろん親としてだけでなく、あらゆる人へ、そんな気持ちを持てたなら・・・と言う言葉です。
涙が止まりませんでした。
一体、世界中のどれだけの人が、この言葉を言えるのでしょうか?
心からそんな一言を言える大切な人が自分の周りにどれだけいるのか・・・
そんな人が幸福なことにいたとしても、はたしてその言葉をかけることができるのか・・・
また逆に自分に対してそんな言葉をかけてくれる人はいるのか・・・
過去のこと、これから先の未来のこと、いろんなことが瞬時に頭の中を駆け巡り、
涙が止まらなくなったのです。
その言葉とは
『一緒に拾う』
これ以上のことを書くのは止めておきます。
是非とも、自分自身で読んでその暖かさ、優しさ、強さを感じて下さい。
僕なんかのつたない言葉の羅列では、
その本当の良さ(深さ)を伝えきることは出来ないので・・・。
先に、重松さんの作品はあまり結論じみたメッセージは含まれていないことが多いと書きました。
が、しかし、この作品は強いメッセージを発している作品ではないかと僕は思います。
もしもこの先、とても困難なことにブチ当たる時が訪れたら、
どんなに少なくとも、ドリーと妻にだけはこの言葉をかけたいと思う・・・