言葉がない日のこと
この鬱々とした梅雨空は、
多分に僕を苦しめる。
低く垂れ込めた雲と空気は上から、心と体の自由を奪う。
昨日はカフェでライブ。
いつもと違って、よりたくさんの楽器を使いそれでいて限りなく生音に近い感じで演奏だ。
リハーサルをしてから時間が空いたのでボロボロ体の疲れをとるために温泉へ行った。
近くにたまたま温泉があり、日本家屋のかなり良い雰囲気の温泉宿を発見した。
庭と渡り廊下があって、雨の庭、素敵な演出を醸し出す。
なぞの石像。
胸にあいた穴。
かえるは雨に似合う。
けろけろ。
露天風呂に長い時間つかり、しとしと降る雨を眺める。
とても静かなところで、虫の音が本当に心地よい。
夏の虫はとても美しい声で鳴く。
雨、
夕方、
涼しくて、
静かで、
虫の声。
神様の露天風呂に迷い込んでしまったのではなかろうかという錯覚。
完全に弛緩しきった体でライブ。
たくさんの人が見に来てくれる。
この日、とても楽しかったのにあまり人と話したくなかった。
でも、誰かのそばにいたいという相反する感情。
言葉がない日でも、
誰かをちょっとでも楽しい気分にさせられたら、
もしくはリラックスさせられたら、
嬉しい。
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